第1905日目 〈暗闇のなかを歩く勇気を……:「Everlasting Train ―終わりなき旅人―」〉【椎名へきるレヴューブログ/「へきってみたら、こうなった」より】 [日々の思い・独り言]

 リリース当時テレビ東京系列で放送されていたアニメ『ヱデンズ・ボウイ』の前半主題歌、それが椎名へきる12枚目のシングル「Everlasting Train ―終わりなき旅人―」だ。作詞は椎名自身。
 「(声優の)養成所へ通いながら未来に不安を抱いていた頃の自分をモチーフにした」夢や目標をけっして諦めないでほしい、というメッセージをこめた、一種のプロテスト・ソングである。
 これを聴いたときがちょうど、節目の年齢を前に将来を思い悩んでいた時分だった。それだけに詞にも彼女の発言にも共感し、いまに至るまでフェイヴァリットの1つとして事ある毎に聴きたくなる歌なのだ。
 昨今の椎名の歌にはたいして刺激がなく、安寧(あんねい)の上に胡座(あぐら)をかいたようなものが目立つけれど、この当時は危うい足取りで暗闇のなかを彷徨う魂の遍歴を扱ったような、いうなれば“心の叫び”が感じ取られた。懸命に自分のメッセージを伝えることに心を砕く〈表現者〉としての姿勢が見られた。
 そのひたむきさが好きだった。
 椎名へきるを聴くことは、前へ進む力をもらうことでもあったのだ。
 もう一度、こういう歌を歌ってほしい。

 PIPELINE PROJECTのプロデュースによる、1999年の作品。ちなみに、初めて新譜で買った当時の最新シングル。その後マキシ・シングルとして再発済み。◆

 SME/SRDL4621/1999/1,020円(初出盤データ)

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