第2201日目 〈ジョン・レノンと『クリープショー』〉 [日々の思い・独り言]

 TSUTAYA錯乱事件は未だ審議続行中なれど、幸い事は当日を以てビートルズ全オリジナル・アルバムのレンタルが完了していたこと。当方は追及の手を緩めるつもりは毛頭ないが、件の店舗に於ける返却品の管理体制のずさんさには正直呆れてしまう。誰でも他人の返却品を持って行けるビニール・バスケットで対応しているところなんて、これまで利用した店舗のなかではここだけだ。犯罪を呼ぶ環境は整っているではないか。今後、TSUTAYAは返却ポストの有無などちゃんと確認してから利用店舗を選んだ方がいいね。
 ──ということを書こうとしていたのではありません。それ以後の音楽生活の話です。
 ビートルズが終わったらば、メンバーのソロ・アルバムへ目が向くのは自然な流れでしょう。誰のアルバムを聴こうかな、学生時代にジェームズ・ボンドとマイケル・ジャクソン経由で聴いたことのあるポールかな、それともアルバム・ジャケットが印象的なジョージ・ハリスンかしら、と考えていたら、やっぱり次はジョンだろう、ジョン・レノンだろう、と会社でお昼ご飯を食べながら羽田空港に着陸する飛行機を眺めていたら、斯く唐突に思い着いたのでした。
 それから数日後、わたくしは行動範囲内にあるTSUTAYAを周回してジョン・レノンのオリジナル・アルバムがすべて置いてある店舗を探した。どこもかしこも『イマジン』以外はあったりなかったりで隔靴掻痒の感があったのだが、結局会社からいちばん近くの、スタバ併設のTSUTAYAがジョンは勿論、ポールのアルバムもほぼすべて揃えてあるのがわかり、灯台もと暗しという諺の誠なることをしみじみ実感した次第であります。或る意味、とほほ、な結果であります。
 この店舗の利用に問題点があるとすれば、退勤後の定宿に等しいスタバとは正反対の方向にあること、閉店が日付の変わったあとゆえうっかりするといつまでも(気の済むまで)原稿を書いていること、でしょうか。もう1つ挙げれば、そこのスタバで席が取れなければ代わりとなる場所は近隣に2つしかないことで、そこで仕事することはややギャンブル性を帯びることになることですね。
 使える店舗が見附ったので、さっそく何枚か借りてきた。という惹句が刷りこまれているせいか、ややイメージから外れる曲もあり、反対にイメージ通りの(言い換えればステレオ・タイプの)曲もあり、良くも悪くも振り幅の大きさに戸惑いました。が、その音楽には、確かに人の心へ直接訴えかけてくる「鋼の如き、ガラスの如き」強さが脈打っていますよね。  おまけに、歌詞カードへ目を通していたら、この人の詩才は本物だ! と叫びたくなりました。ファンになったばかりなので、このような発見をせせら笑わないでほしい(ローズウォーターさん、あなたに神の微笑みあれ。呵々)。レンタルなので残念ながら期限が来たら手許を離れてゆくことになるけれど、遅かれ早かれこの人のアルバムも全8枚購入して、およそブルース・スプリングスティーン同様歌詞カードを、穴が開くぐらい読み耽るとこになるのだろうな、と想像しています。アーティストとしてどれだけ優れていても自作の歌詞が二流なら、もうそれだけでわたくしにはその人の音楽は聴く価値がない。誰とはいわないが、ジョン・レノンはその連衆に名を連ねていません。嬉しき例外であります。  ……本稿の筆を擱こうとしているいま、聴いているのは『心の壁、愛の橋』より「#9 Dream (夢の夢)」。何度でもリピートして耳を傾けたい、それぐらいに良い曲だ……。
 紙幅が余ったので、今後発展させる予定でいたが断念した話題を一つ。  わたくしのホラー好きの始まりに位置する映画は『クリープショー』である。ジョージ・A・ロメロ、トム・サビーニ、スティーヴン・キングというホラー好きにはお馴染みのビッグ・ネームがタッグを組んだ、恐怖とユーモアが満載な1950年代のホラー・コミックにオマージュをささげた傑作映画である。  が、これは2016年現在どころかDVDソフトとして長く流通していない(Blu-rayに至っては日の目を見たことすらない)、個人的CS放送希望リクエストの首位を10数年独占してその地位から一度たりとも陥落していない作品なのだ。ヤフオクに出品されれば2万円超の値段が付き、こちらとしてもおいそれとは手が出せない金額が設定されていて、毎度指をくわえて眺める他なく……。  にもかかわらず、凡作としかいいようのない2作目はBlu-ray化されて堂々と販売されており、ロメロもサビーニもキングもいない、名ばかりの3作目すら定価で手が入る状況。駄作はいらない、傑作のみをわたくしは求める。  メーカーよ、せめて1度でいいから──期間限定で構わないから、このオムニバス・ホラー映画の名品『クリープショー』のソフト化を実行してくれ。いったいどれだけのファンが飛びつくことだろう。告知さえきちんと為されて流通すれば、手に入れたくても叶わなかった人たちが群がるはずだ。質の高いホラー映画にはいつだって熱狂的なファンがいるんだぜ。だからお願い、お星さま、愛も指輪もいらないから『クリープショー』をわが手に。◆

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