第2355日目 〈ヨハネの黙示録第8章:〈第七の封印が開かれる〉&〈天使のラッパと災い〉1/2with加藤シゲアキ『ピンクとグレー』を読みました。〉 [ヨハネの黙示録]

 ヨハネの黙示録第8章です。

 黙8:1-5〈第七の封印が開かれる〉
 小羊が第7の封印を開くと、半時間程だが天は沈黙に包まれた。神の御前に7人の天使が立つのを、わたしは視た。かれらに7つのラッパが与えられた。
 いずこからか、別の天使が来た。手には金の香炉を持っている。その天使は祭壇のそばに立ち、多くの香を受け取った。というのも、すべての聖なる者たちの祈りに添えて、玉座の前の金の祭壇に供え、ささげるためである。香の煙が立ちのぼり、聖なる者たちの祈りと共に神の御前にそれは届いた。
 天使が香炉を取ると、それに祭壇の火を満たして地上へ投げた。すると地上では、雷が轟き、稲妻が光り、様々な音が全地に響き、大きな地震が起こった。

 黙8:6-13〈天使のラッパと災い〉1/2
 それぞれラッパを渡された7人の天使は、構えて吹く用意をした。
 第1の天使がラッパを吹くと、血の混ざった雹と火が生じて地上へ投げ入れられた。地上の1/3、木々の1/3が焼かれて滅び、すべての青草も焼き尽くされた。
 第2の天使がラッパを吹くと、燃え盛る大きな山のようなものが海に投げ入れられた。すると、海の1/3が血に変わった。血の色に染まったのではない。血に変わったのである。また、神の被造物のうち海に住む生き物の1/3が死に、船という船の1/3がことごとく壊された。
 第3の天使がラッパを吹くと、松明のように明るく燃える大きな星が天から落ちてきて、川という川の1/3と水源に落下した。星が落ちたところの水は例外なく苦かった。毒にも等しい苦さだったので、それを口に含んだ者は皆死んだ。天から落ちてきたその星の名が「ニガヨモギ」というたからである。
 ──一連の様子を空から見ていた鷲が、こういった。地上に住む者らよ、お前たちは不幸だ、まだこれから3人の天使がラッパを吹こうとしているのだから。不幸だ、不幸だ、不幸だ、……。

 特段添えるべき補注やお話はないのですが、それでも敢えて1つだけ。
 1986年4月、旧ソヴィエト連邦のウクライナ・ソビエト社会主義共和国にてチェルノブイリ原子力発電所が炉心溶融を起こして世界最大級、レベル7という事故につながりました。概要や原因、経緯等についてはWikipediaに詳細がありますが、図書館などでそれについて書かれた紙資料も博捜して、この事故について知りたい方は事実に近附いてほしく思います。
 さて。当時高校生であったわたくしはその後降った雨に放射能が含まれており、傘をささずにそれを浴び続けると髪の毛が抜けてしまうぞ、と脅された覚えのある者ですが、ところで「チェルノブイリ」とはどのような意味かご存知ですか?
 それはウクライナ語で「ニガヨモギ」を意味するそう。然り、本日読んだ第3の天使が吹いたラッパに呼応して天から落ちてきた星が「チェルノブイリ」なのであります。
 原発事故が起こった際は勿論、今日に至るまでチェルノブイリ原発事故と「ヨハネの黙示録」の相似が指摘され、事故はあらかじめ聖書のなかで予告されていた、と騒ぐ向きがありました。本当に予言であったのか、ただの偶然の一致なのか、それはわかりかねますが、容易に重ね合わせられることだけに頷かされるのであります。
 わたくし? わたくしは……もしかしたらそうなのかもしれないね、というぐらいの思いです。勿論、これは小説に使えるな、と考えはしましたけれどね。



 加藤シゲアキ『ピンクとグレー』(角川文庫)を読了。荒削りな部分もあるけれど、才能は確かにある人だ、と偉そうにもそう感じました。最終章のカット割りに当初はこんがらかってしまったけれど、これはたぶんわたくしが読書に意識を集中できなかった証拠。改めて読み返しましょう。
 さりながら本作は実に疾走感と喪失感に満ちた、痛々しい心の記録。こんな小説を物し得た加藤シゲアキにもはやジャニタレ作家なんて肩書きは失礼であろう。斯くも切れ味鋭い小説を書いたかれに思わず、嫉妬。
 この人の小説がもっともっと読みたいか? 正直なところ、まだ判断できません。好きか苦手か、それさえも、また。処女作の本書1冊だけで判断できようはずもない。明日からは2作目の小説である『閃光スクランブル』(同)を読みますが、それを読み終えたとき抱いた気持ちに従ってこの作家を追いかけるか否か、じっくり検討したく思います。◆

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