第2752日目 〈書架の整理:途中報告──CDのこと。〉 [日々の思い・独り言]

 もう終わったわけではないのです。進行中ながら書いていなかったのは、報告すべき進展がなかったためです。──ということは?
 然り、ご報告すべき内容ができたのです。というても本ではなく、CDなのですが。
 最盛期には2万枚前後架蔵していたCDでしたが、レコード店で働いていればそれぐらいの数に膨れあがるのは仕方のない話だった。喉から手が出る程欲しいCDが星の数もある、って経験、後にも先にもあの時期だけだった。社販ができるのにかこつけて大量にクラシックのCDを購入し、企画や雑誌、店頭のコメント用に購入した音盤だって相当の数に上る。然様、仕方のないことだったのである(まぁ、お金は貯まらなかったけれど)。
 が、退職してからはまず反動で音楽を聴かなくなった。それまで毎日浴びるように聴いていた──聴かされていた──音楽を無意識に避けるようになり、偶さか耳を傾けても1日にわずか1時間ちょっと。なんだろうね、この変化は。そういえば、村上春樹もジャズ喫茶をやめたあとはしばらくジャズを聴かなかった、とエッセイで書いていたな。とまれ、そうやって音楽を聴かない時間が長くなってくると、今度は書棚にびっしり詰めこまれたCDが目につくようになり、存在が精神を蝕むようになった。
 気が触れたようにCDの処分を始めたのは、その頃からである。むろん、それだけの数がすぐ売り払えるわけはなく、いつもその選別と処分の作業に携われるわけでもない。そう、時間がずいぶんと掛かりましたね。一時期は数が減って収納スペースが増えたことで調子に乗り、あっという間に数100枚が部屋へ溢れかえってしまったことも手伝って、いわゆる元の木阿弥状態に。……嘆かわしいことである。
 うん、最初に処分してからもう10年ぐらいになるね。上述のような理由により、また早急に処分する理由もなくなっていた頃もあったから、ずいぶんとのんびりしていたことである。
 そうして現在。今日はとつぜん思い立って、作業を開始した。棚に残った約500枚を時に思い切りよく、時に悩みながら、時に後ろ髪引かれる思いで、ダンボール箱へ放りこんでゆく。でも、作業が終わってみれば、そこへ入ったのは約200枚程度でしかない。もう少し出せるかな、と思うて再度選別作業に入るも、数枚を加えるが精々。
 逆にいえば、現時点でダンボール箱に入っていないものは、自分が生涯大切に想う音盤ということだろうか。聴力に問題あり、支障ありと雖も、これまでずっと寄り添い続けて励ましと慰めを与えてくれた音盤は、捨てるに忍びないのだ(「君」も経験すれば、わかると思うよ)。
 そんなことを、処分CDのなかからピックアップした幾つかをiTunesへ取りこみながら(いつ終わることやら……)、倩思うているのである。◆

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