第3126日目2/2 〈『ラブライブ!スーパースター!!』〜結ヶ岡女子高等学校について。〉【改訂・補筆版】 [『ラブライブ!スーパースター!!』]

 『ラブライブ!スーパースター!!』の舞台は原宿・青山・表参道に跨がるエリアに設定されております。『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』を含めれば、3度目の23区を舞台にした作品。
 では、Liella!のメンバーが通う結ヶ岡女子高等学校は何区にあるのか? 検討の起点になるのは、彼女たちが学校帰りに特になんの交通機関を使うことなく、原宿駅・竹下通りに出られる点でしょうか。それにリンクする検討材料が、かのんと千砂都の出身中学である外苑西中学校の存在。既に述べたように、この中学の屋上からは新国立競技場を眺めることができました。
 外苑西中学校については外観の描写がありません。従って新国立競技場の見える方角やおおよその距離から推測で述べることになりますが、──学校のモデルになった建物は実在の施設になるため、名前を出すことは控えます──おそらく立地のモデルになったのは東郷神社周辺の建物でありましょう。
 結ヶ岡女子高等学校がどのあたりに立地するか、という点については、フィクションならではの地理改変の結果として、渋谷区神宮3丁目内のどこかかな、と憶測するより他ありません。国立音ノ木坂学院と同様に、かなりの地理改変がされた東京に位置するというのが、いちばん無難かつ妥当な線ではないか、と考えます。スティーヴン・キングがかつて《ダーク・タワー》シリーズにてニューヨークの地理改変を行い、それをフィクションにのみ許された特権というていたことを思い出します。
 閑話休題。
 放送に合わせて、結ヶ岡女子高等学校の開校年月は2021年4月と考えた場合、前身となる神宮音楽学校は2020年度末までに廃校されたことになります。多少の設備の入れ替えや修繕等は開校までに実施されたでしょうが、「校舎を含めた敷地自体は、かつて廃校になった学校のものを再利用している」(Wikipediaより)とのこと。
 神宮音楽学校閉校から結ヶ岡女子高等学校開校までの時間は、それ程空いてはいないでしょう。新校舎が結ヶ岡女子高等学校の開校に合わせて建設されたのか不明ですが、木造校舎に関しては神宮音楽学校時代の校舎が使われているはず。大規模な木造建築はいったん痛みが生じると、そこを中心にして意外と広範囲に瑕疵が拡大してゆきます。そう簡単には修繕のできないレヴェルの瑕疵が生じる可能性もあり得ましょう。
 とはいえ、間隔が空いていたとしても、2年程度、最大で3年が精々でありましょう。それだけの時間があれば新校舎の、敷地測量や地盤調査から竣工・引渡、備品や機材等の搬入まで完了させられるはず。同時に、木造校舎の修繕も完了している頃合いでありましょう。
 そうなると今度は、いつのタイミングで生徒募集の最初の告知がされたか、となりますが、これのヒントは第1話にありそうです。冒頭で中学時代のかのんがクラスメイトの前での自己紹介で、結ヶ丘女子高等学校音楽科への進学希望を表明する場面です。
 これはいつのエピソードなのでしょう。実はどの学年であっても、可能性はある。首都圏の公立中学って大概、毎年クラス替えをしていませんでしたか? もし外苑西中学校も同じであれば、このエピソードはどの学年のときでもあり得る。
 もし自己紹介が1年生のときと仮定すれば、2018年4月のこととなり、3年前の出来事となる。──実は神宮音楽学校が閉校した可能性を先程、いちばん間が空いても3年か、と推測した根拠の1つはここにありました。しかし閉校直後に新設校の概要が公にされ、かつカリキュラムの柱も外部にアナウンスできる状態になっているか、それは甚だ疑問であります。
 むしろ現実味の濃いのは、これが3年生になったときの、クラス替えに伴って行われた自己紹介である、とする考えです。それは2020年4月のことになり、このタイミングであれば結ヶ岡女子高等学校開校とカリキュラム等の具体的な告知が、前年度末までには周知されていたでありましょう。そのカリキュラムとは即ち、神宮音楽学校の流れを汲んで音楽教育に重点を置くことであります。
 では、どうして神宮音楽学校は閉校せざるを得なかったのか? その理由はどこにも明記されておりません。断片的な情報を基に推理するしか、われらにはできない。
 が、葉月恋の母、花が結ヶ岡女子高等学校の創設者であり、初代理事長が葉月花と知己の間柄であることが、ヒントになりそうです。また、公式サイトに載る恋のプロフィール及び自己PRも参考になりましょう。恋のプロフィールは「学校近くの大豪邸で育ったお嬢様」とあり、自己PRには「元々この町に古くから住んでおりまして」とある。
 閉校の理由は単純に、生徒数の減少とそれに伴う経営難でありましょう。神宮音楽学校はそれなりの伝統を持っていた学校のようなので、相当ギリギリまで閉校回避の策は取られたと考えられます。しかし、閉校は避けられなかった。
 よくわからないのは、葉月花は神宮音楽学校となんらかの関係があったのか、という点です。考えるに、葉月花は神宮音楽学校の卒業生だったのだろう。そうして閉校時には校長なり理事長なり、そうした役職に就いていたのであろう。そんな風に考えると、学校施設を土地ごと流用して、音楽教育に重点を置いた新設校を作るアイデアは極々自然に出てまいります。
 また、神宮音楽学校の閉校にはスクールアイドルが関わっていると考えられる節があります。第4話でかのん・可可・千砂都の3人が、同好会の部室を探しあてた場面で、ドアの上には「学校アイドル部」てふプレートが掲示されていました(05分21秒)。
 可可は「理事長が付けてくれたのでしょうか?」と独り言ちていましたが、実際はどうなのでしょう。今後の展開で解き明かされる謎ですが、プレートを見たかのんの台詞が気になります。曰く、「それにしては、古びている気がするけど……」と。
 古びているのが事実ならば、それは神宮音楽学校時代の名残であり、かつて神宮音楽学校にもスクールアイドル活動をしていた人たちがいた、ということ。恋から渡された鍵が2本あることにかのんは疑問を持っていたようですが、これは単純に部室の鍵と隣接する屋上の鍵が1セットで、「学校アイドル部」に与えられていたためでありましょう。「スクールアイドル部」ではなく、「学校アイドル部」なのか、というのも今度解明されるはずであります。
 ただ、かのんたちにスクールアイドル活動を禁止し、その活動を複雑な表情で見守る恋が、様々なスクールアイドルたちのレヴェルに詳しいのは、なぜか? 既に『ラブライブ!スーパースター!!』の世界に於いてスクールアイドルは、固定ファン層を持った、継続性のある活動として認識されている様子。
 このあたりを考えるとわたくしは、実は『ラブライブ!スーパースター!!』の世界に於ける神宮音楽学校閉校の歴史とは、『ラブライブ!』であり得たもう1つの時間軸、即ちμ’sが音ノ木坂学院の廃校を阻止できなかった歴史が反映されたものではあるまいか、と、そんな風に思えるのであります。
 となれば、そこにスクールアイドルが関わってきている可能性は、非常に高いでしょう。神宮音楽学校閉校の可能性が最も高いと考える2018年以前となれば、シリーズ時系列ではAqoursが活動し、アニメに置き換えれば浦の星女学院の廃校が本決まりしていた頃と記憶します。『ラブライブ!サンシャイン!!』でも断片的に語られているが、当時スクールアイドル活動を行っている団体は5,000以上あり、歌唱や技術面でも一介の部活動のレヴェルを超えている由。
 結ヶ岡女子高等学校でもスクールアイドルの活動が目立ち始めて専門雑誌が複数刊行されるようになった頃──即ちA-RISEやμ’sの時代から、部活名は「学校アイドル部」ながらスクールアイドル活動が行われていた。その名残が、件のプレートである、とは考えられないでしょうか。
 おそらく、神宮音楽学校に於いても閉校阻止の手段の1つとして、スクールアイドルがラブライブ! 進出を目指していた可能性は高い(その頃になるとμ’sの廃校阻止伝説は、スクールアイドル活動をする者ならば誰もが知ることだったでありましょうから)。地区大会の結果も含めて神宮音楽学校学校アイドル部が満足な結果を残すことなく終わったことは、容易に想像がつきます。しかも、恋のスクールアイドルを忌避する様子から、神宮音楽学校学校アイドル部は学校閉校の後押しとなる結果、または失敗を残した可能性が否定できない。
 もしかすると、学校アイドル部の設立を(最終的に)承認したのは、葉月花さんだったかもしれない。そんな彼女の後悔が幾分ねじ曲がった形で恋に継承されていたならば、恋のスクールアイドル活動を忌避する態度にも、頷けるのであります。
 ──拙い考察をしました。が、わたくしには実はこの結ヶ岡女子高等学校の設立時期や神宮音楽学校閉校の理由は、アニメ放送開始前からの疑問だったのであります。まだ意に満たない部分もありますが、そうした点については追々修正等加えてゆきたい、と、そう考えております。あ〜、眠い。もうすぐ朝5時なんですけど。◆

※2021年08月27日 補記:「第3131日目 〈『はじめてガイドブック』と『FIRST FAN BOOK』を(今日買って、)読みました。〉」も参照のこと。□

※2022年01月24日 補記;校舎関係部分の語句修正。

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