第0219日目 〈「士師記」前夜& あの島が還ってくる……!〉 [士師記]

 士師記前夜であります。

 「士師(しし)」とは裁きつかさ、即ち、救い手、救助者であり、律法の伝統に組みこめば、「法に従って裁決を下す者たち」(岩波・旧約聖書Ⅳ『ヨシュア記・士師記』P245)である。
 ここではカナンに残った先住民たちにイスラエルが抑圧され苦境に立たされたとき、主が遣わした者を、士師と呼ぶ。むろん、主の遣わした存在とは雖も霊的な意味でのそれではない。そうした意味でいうなら、主こそまことの士師であろう。
 士師記の主題(ライト・モティーフ)は、第2章で明確に述べられている。少々長くなるが、引用する、━━
 「主を知らず、主がイスラエルに行われた御業(みわざ)も知らない別の世代が興った。イスラエルの人々は主の目に悪とされることを行い、バアルに仕えるものとなった。彼らは自分たちをエジプトの地から導き出した先祖の神、主を捨て、他の神々、周囲の国の神々に従い、これにひれ伏して、主を興らせた。」(士2:20-12)
 これを念頭に置いて読めば、繰り返し繰り返し行われるイスラエルの民の背反と神、主の怒りともたらされる慈悲の構図━━一歩誤ればシチュエーション・コメディにもなりかねない━━について、すっきりとした視界で見渡すこともでき、あらぬ混乱もせずに済むのではあるまいか。我が身を省みてそう思うところである。

 「士師記」とは、民が主に背き、士師たちによる民の救いと征服者の討伐が繰り返される、という内容を持つ書物で、物語性のあふれた史書なのであります。




 今週は『白いカラス』(日本公開108分版)と『イブラハムおじさんとコーランの花』を観ました。どちらも観終わってしばらく経ってから、胸に迫ってくるものを持つ映画。
 感想をみんなでわいわい語り合う類のものじゃなく、一人でじっくり噛みしめて思いを巡らせ、これを知る人と出会ったらコーヒーでも飲みながらぽつり、ぽつり、と片言の感想を口に上すような、そんな、掌中の珠の如き映画、かな。個人的なところでいえば『コーヒー&シガレッツ』や『カルテット』などといっしょで。
 共に音楽の使い方が上手な映画だった。ペーソスの効いた、良作。

 『白いカラス』(The Human Stain 2003・米)はアンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズが出演。監督はロバート・ベントン、原作はフィリップ・ロス(集英社から原作本が出ているらしいのだが、見当たらないよ~)。
 『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』(Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran 2003・仏)の出演者はオマー・シャリフ(『アラビアのロレンス』、『ドクトル・ジバゴ』、『13ウォーリアーズ』)、ピエール・ブーランジェ(本作が映画デヴュー)、イザベル・アジャーニ(『カルテット』、『サブウェイ』、『ポゼッション』、『カミーユ・クローデル』他。大好き!)他。監督・脚本はフランソワ・デュペイロン(『うつくしい人生』、『将校たちの部屋』など)、原作・脚本はエリック=エマニュエル・シュミット。
 観て。語らず胸中で反芻してみて。


 そして、━━おいらはこの日を待っていたッ!
 2009.6.21、AXN(725ch)へ遂に、『LOST』season5が出現。
 もちろん日本最速の放送です。
 あの島とオーシャニックのメンバーが還ってくる……!!◆

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