第0235日目 〈士師記第13章:〈サムソン〉1/4〉 [士師記]

 士師記第13章です。
 士師サムソンの物語、全4回の第1回であります。

 士13:1-25〈サムソン〉1/4
 イスラエルが再び乱れた頃、ダン族にマノアという男がいた。妻は不妊症であった。その時分、主はペリシテ人にイスラエルを渡しており、ペリシテ人の支配は40年に及んでいた。
 或る日、妻の前に主の御使いが現れ、やがて男子を授かる、と告げた。
 「『その子は胎内にいるときから、ナジル人として神にささげられているので、その子の頭にかみそりを当ててはならない。彼はペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう。』」(士13:5)
 妻はそれを夫へ告げ、夫はぜひ自分も聞きたいと思い、主の御使いがまた現れてくれるよう祈った。果たして主の御使いは夫婦の前に現れた。
 その子が生まれてくるために為すべき事はなにか。夫は訊いた。
 それは、と主の御使いがいった。それは次の如し、━━
 ・ぶどう酒を作るぶどうの木からできるものは、一切口に含んではならない。
 ・強い飲み物、汚れたものを一切口に含んではならない。
 ・「わたしが彼女に戒めたことは、すべて守らなければならない。」(士13:14)
 マノアはもてなしの子山羊をごちそうしたい、と申し出たが、主の御使いはそれを断り、主に焼き尽くす献げ物としてささげよ、といった。
 マノアと妻は子山羊と穀物の献げ物をささげた。祭壇から炎が天へのぼると、主の御使いも一緒に天へのぼっていった。夫婦はそれを見てひれ伏した。
 私たちは神を見てしまった、死なねばなるまいか、と戦(おのの)くマノアを、妻は諫めた。死なねばならないなら、献げ物なんて必要なかったでしょう? と。
 やがて妻は男児を出産、サムソンと命名された。ダン族マノアの息子、新たな士師サムソンである。
 サムソンの運命が急転するのは、彼がマハネ・ダン(「ダンの宿営地」の意味)にいるときであった。

 個人的には士師記で三本指に入る、好きなエピソードです(第15章がちょっと中だるみしますけれど)。
 わたくし同様オペラや古伝説の類が好きな方なら、第16章まで続くサムソンの物語に、ワーグナーの楽劇で有名なジークフリートを思い浮かべながら愉しんで読んだ、というわたくしの感想に首肯いただけるものと思います。
 オペラ序でにいえばこのサムソンの物語、フランス近代の作曲家サン=サーンスによってオペラ化されました。《サムソンとデリラ》がそれです。1877年にワイマールで初演、台本はF.ルメールによるフランス語、アリア〈あなたの声に我が心は開く〉が夙に有名なオペラです。さんさんかのお奨めディスク(CD)はジュゼッペ・パターネ盤(DENON)とチョン・ミュン=フン盤(DG)。◆60319

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