第0266日目 〈「サムエル記上」前夜 - 勝田文『プリーズ・ジーヴス』、意見修正。〉 [サムエル記・上]

 「ルツ記」以来ずっと横道に逸れていた(!?)本ブログですが、明日から本来の趣旨に戻って聖書の読書ノートを再開します。

 明日から「サムエル記・上」に入ります。続く下巻と共に、名前ぐらいは聞いたことがあるやもしれぬサウル王とダビデ王が活躍する書物、これまででいちばん歴史書らしい体裁と内容を持った歴史書、それが「サムエル記」であります。なお、書名にある“サムエル”はシロの祭司にして最後の士師、二人の王を導く預言者サムエルのことです。
 内容をかいつまんでいえば、サウル王とダビデ王によるイスラエル各部族の統合と統一国家(中央集権)の樹立が如何にして成されていったか、というものです。
 これは伝統的に上下(訳によっては第Ⅰ・第Ⅱ)に分かたれておりますので、本ブログでもそれに倣って「サムエル記・上」(サム上)、「サムエル記・下」(サム下)と称して、日々の更新を進めてまいります。

 わたくしは特にキリスト者というわけでは、まったくありません。先祖に僧侶を持つありきたりな仏教徒です。
 単に海外小説や映画、演劇、音楽に親しんでいるうちキリスト教に関心を持つに至り、創作の参考にもなれば、と思って、昨秋より聖書を一頁目から読み出した新参者でしかありません。
 ただ聖書へのアプローチの出発点に、若くして死んだ婚約者がキリスト者でありプロテスタントであった、という小さな事実があり、昨年の09月11日を前にしてどうにも心が乱されて落ち着かなかったのを鎮めるために巻を開いた、というきっかけめいたことがあった。それだけを、ここでは告白しておきたく思います。
 わたくしが聖書を読むにあたって導きとなった本があります。いのちのことば社から出ている内田和彦『「聖書は初めて」という人のための本』がそれ。聖書の構成や内容、読み方などについてコンパクトに書かれた、まさに、聖書に興味はあるがどう読んだらいいのかわからない、と悩む人のために書かれている本です。簡潔で要領を得た本なので、書店のコーナーで見かけたら読んでみてください。


 先日、勝田文の『プリーズ、ジーヴス』(白泉社)を俎上にのぼして、川原泉の方がより合っていたんじゃないか、と書きました。正直なところ、まだ川原版バーティー&ジーヴスを見たいという願いは変わりません。
 しかしながら改めて読み直せば、間の取り方や絶妙なコマ割りなどを含めて考え直せば、勝田文も適役であったな、と唸らざるを得ません。というわけで(偉そうないい方かもしれませんがご寛恕を)、いまは勝田版ウッドハウス・コミックにもわたくしは相当入れあげており、小説は小説、漫画は漫画と割り切って実に痛快に愉しんでおります。上手く原作を脚色しているのも好ましいですね。
 はぁ~、早く第2巻が出ないかなぁ……。
 コミックといえば、プルースト『失われた時間を求めて』の大判フルカラー・コミックも続刊が刊行される日を心待ちにしているのですが……。

 《ヴィーン・モデルン》を聴いています。◆

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