第0393日目 〈ドストエフスキー『死の家の記録』を読んでいます。〉 [日々の思い・独り言]

 ドストエフスキーの『死の家の記録』(新潮文庫)を、昨日から読んでいます。持ち前のとろさゆえにまだ60ページ弱というところですけれど……。
 記録者にして語り部ゴリャンチコフの体験が、我が身の過去に重なって胸が詰まる瞬間が幾つもあります。堅苦しい物言いをする気はありませんが、確かにドストエフスキーは現代社会の負の側面を予言したような小説を残しましたが、実のところは、むろん、そうではない。普遍的に存在し続ける負の病巣を、等身大の言葉を用いて、当時の流儀に則って、ひたすら書いただけなのです。
 ドストエフスキーはグリーン版世界文学全集(河出書房)収録作を除けば、『永遠の夫』と『悪霊』、アンソロジーに収められた幾つかの短編しか読んでいませんでしたが、これを契機にそれらの再読も含めて、細く長く読み続けていってみようと思います。

 ちなみに、『死の家の記録』はヤナーチェクの同題オペラの原作。
 ヤナーチェクといえば、今年は『シンフォニエッタ』ばっかり……村上春樹『1Q84』現象です。チェーホフ『サハリン島』読書と併せて、どれだけの人が聴いたのだろう?◆

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