第0453日目 〈歴代誌上第1章:〈アダムからアブラハムまでの系図〉、〈アブラハムの子孫〉&〈エドムの王〉〉 [歴代誌・上]

 歴代誌上第1章です。

 代上1:1-27〈アダムからアブラハムまでの系図〉
 まず最初にアダムという男があった。主により女エバをあてがわれ、蛇の誘惑にかかってエデンの園から追放された者である(創2:6-3:24)。
 これを祖として9世代目にノアという者が現れる。世界が大洪水に見舞われたときに方舟で〈種〉の存続を果たし、人類滅亡の危機を乗り越えた男である(創5:29-9:28、大洪水のエピソードは創6:1-8:22)。
 このノアに3人の息子がいた。セム、ハム、ヤフェト。「全世界の人々は彼らから出て広がった」(創9:19)。
 ハムの系譜からは、エジプト、カナンが生まれた。エジプトとカナンはその後も子孫を増やして散り、同名の地を持ってそこで生活を営んだ。また、エジプトの子孫からペリシテ人が出た。別にハムにはクシュという息子がいて、そこから地上で最初の勇士ニムロドが出た(創10:8-9)。
 セムの系譜はすこぶる重要である。なぜならばセムから10世代目にアブラム、即ちアブラハムが出たからである(創11:26,12:1-25:10.改名と契約のエピソードは創17:1-8)。

 代上1:28-42〈アブラハムの子孫〉
 アブラハムにはイサクとイシュマエルという2人の息子がいた。
 イサクにはエサウとヤコブという2人の息子がいた。イサクは当初、長男エサウに祝福を与えるつもりであったが、ヤコブがそれを騙し取った(創27:18-40)。
 ヤコブはヨルダン川のほとりで神と戦い、勝った。祝福されたヤコブは以後、イスラエルと呼ばれるようになった(創32:29)。

 代上1:43-54〈エドムの王〉
 イスラエルがまだ王を戴いていなかった時代、エドムの地を治めた諸王がいた。
 ベオルの息子ベラを初代としてベダドの息子ハダド(モアブの地にてミディアン人を撃退した)、レホボド出身のシャウル、アクボルの息子バアル・ハナン、ハダドがそこに名を連ねた。エドムに王は全部で8人立った。
 最後のハダド王のあとは王に代わって首長が立ち、ティムナを初代にイラムヘ至るまで11人の首長がエドムの地を治めた。

 背景に雄大な光景と時間を有する歴代誌の幕開けです。本書を単なるダイジェストと思うなかれ。これは後の北王国イスラエルへの断罪の書でもあるのですから。この点、我が国の南北朝時代とそれを扱った史書諸々の立ち位置と、似通った部分を持っております。
 名前の背後に多くのドラマがある、と雄弁に語るのは、古今見渡しても代上1が白眉といっていいように思います。
 新約聖書の幕開けを担う「マタイによる福音書」の第1章は似たような記述で始まりますが、それはあくまでイエス・キリストの家系図でしかなく、歴史がうねり人がざわめく様は微塵も感じられません。背後になんのドラマも物語も匂わせないのです。あたりまえですが。
 歴代誌上はしばらくの間、こんな風に名前が列記されるだけの章が続き、無味乾燥に思われるかもしれません。が、すべてがイスラエルの歴史にかかわり、聖書という歴史物語を彩り、これまで我らが読んできた多くのエピソードに関与してくるという点を、頭の片隅に入れておいていただけると、うれしいです。



 2日の午前中、川崎大師にお参りに行きました。すっきりした気分です。その帰りに見た富士山が、とても大きく映った。◆

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