第0821日目 〈詩編第119篇:〈いかに幸いなことでしょう〉withビル・クロウ・カルテット『さよならバードランド』を買いました。んー、「解説・村上春樹」?〉 [詩編]

 詩編第119篇です。
 題詞は「(アルファベットによる詩)」
 ヘブライ(ヘブル)語のアルファベット順に各連が書き起こされている。かのアルファベットは全部で22あり、各連は8節で構成されるため、22×8=176,という最長を誇る詩篇となった。

 詩119:1-176〈いかに幸いなことでしょう〉
 これは「詩編」のどの詩よりも、否、聖書すべての章に於いても長いものであるから、読む際には息切れしないようにするのが肝心だ。それには最初からゆっくり読むのでなく、二、三回は一気に、途切れることなく読んでしまった方がよい。そうしてから一連ずつ、これまでと同様に言葉の一つ一つを噛みしめながら読み返せばよいのだ。長いゆえにのみでなく、様々な面からもこの詩篇は精読を求められ、精読した分だけ応えてくれる作品である。どうかそういう風にして繰り返し味わってみていただきたい。
 最長を誇りながらも内容は至ってシンプルである。神の律法を讃美し、律法が示す道に従う意思の表明を芯として、それへ肉附けしてゆくみたいに作者は自らの信仰を告白してゆく。作者;彼/彼女は斯く告白する。━━わたしは神の律法を愛し、その教えと戒めに従って道を歩み、主の目に悪と映ることを遠ざけ、それに惑わされません。そうしてわたしを苦しめ、迫害する者に屈さず、いつどんなときでもあなたの御言葉を信じ、それに救いと癒しを求めます。……。
 全176節はいま述べた如きを基調音として、技巧を凝らし、芸術性を損なうことなく編みあげられた、いわば変奏曲である。バッハの《平均率》を〈旧約聖書〉と呼び、ベートーヴェンの32のピアノ・ソナタを〈新約聖書〉と称したE.フィッシャーの言を意識にのぼせていえば、この詩119は《ゴルドベルク》や《ディアベリ》に比肩する、文学的意味合いでの変奏曲の金字塔と捉えてよいだろう。
 さあ、では、わたくしからは以上としよう。本ブログが「詩編」に入って以来、何度か、是非本文にあたっていただきたい、とお願いしてきたが、その希望を今日程激しく、強く、痛烈に思うたことはない。頼む、読者諸兄よ、どうか一時(いつとき)の煩を厭わずに━━。

 「主よ、御救いをわたしは望みます。/あなたの律法はわたしの楽しみです。/わたしの魂が命を得てあなたを賛美しますように。/あなたの裁きがわたしを助けますように。/わたしが小羊のように失われ、迷うとき/どうかあなたの僕を探してください。/あなたの戒めをわたしは決して忘れません。」(詩119:174-176)



 T/Rにてビル・クロウ・カルテット『さよならバードランド』を購入、決め手は帯にあった「解説・村上春樹」の文字。が、村上氏はアーティスト紹介の短文を書いた、というのが正解です。でも、演奏は抜群に良いですよ。①タイトル曲や⑦〈ジャスト・フレンズ〉はいいな。しばらくはCDトレイへ載っていることになるであろう、今年最初の<大当たりCD>であるのは間違いなし。◆

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