第1122日目 〈本を処分する - 逢いたかった - B.ワルター《田園》〉 [ウォーキング・トーク、シッティング・トーク]

 予定を変更して安息日をもう一日、設けることに御寛恕願います。
 休みであった今日は新しい冷蔵庫が届き、午後から書架の整理を始めてしまった。後者については、取り敢えず段ボール5箱を出して一旦終了させたが、部屋は散らかり、処分する本が新たに発見されたことから明日の第2ラウンドが早くも決定した次第です。
 いや、しかし本って重いね。同じ箱の数でもCDのなんと軽いことか、と嘆息してしまいますよ。やれやれ。この重さに見合う買取り額が提示されれば報われもしようが、おそらくは単行本一冊程度の額になるのだろうな。まぁ、資源ゴミになるよりはマシか……。
 これだけ処分しても、数日後にはまたぞろ読みたい本が出て来て買いこむことになるのだろうが、たぶん生きている限りはこの無限連鎖に陥って生きてゆくことになるのだろう。仕方ない。生きている間は、目がちゃんと機能している間は、読めるだけ読んでおくのが賢明というものだろう。
 が、数年前まで本を処分するなんて想像できなかったのに較べれば、現在の自分のなんと潔く、執着しない性格になったことだろう、と自画自賛したくなる。このままであってくれればもっと良い。好きな作家の本は手放せないが、それ以外についてはガンガン捨てろっ! これがわたくしの心の声であります。えへ。



 ♪逢いたかった×3、yes,逢いたかった×3、キミに♪
 休み明けの出勤した朝、かの人を見たらきっとAKB48のこのフレーズが胸のなかでリフレインされて、おまけに無限リピートされるんだろうな。ああ、表情が崩れるのだけはなんとしてでも阻止しなくてはならない!
 しかし、アルバム『SL』の全トラックの半分強を占めるメンバー個々の「逢いたかった!」は、正直きついですね。いや、大島や小野や峯岸あたりなら、何度聴いていてもなんとか耐えられもしようけれど……この件の反論、中傷はいっさい受け付けません。



 20世紀を代表する指揮者の一人、ブルーノ・ワルター(1876~1962)が最晩年にコロンビア交響楽団と残したベートーヴェン全集の白眉とも言うべき一曲、それが交響曲第6 番《田園》です。
 馥郁たる香気立ちこめる至上の演奏、他にこの演奏を指してどういえばいいというのか。これは、昨今のやりたい放題な《田園》とは明らかに一線を画した偉大なる過去の遺産といえるのが本盤です。われらがここで耳を傾けるワルターの《田園》は単なる描写音楽ではなく、それをはるかに突き抜けた境地で成立した、いうなれば、指揮者が青春を過ごしたヨーロッパでの思い出や戦乱に失われた自然を懐かしみ、来し方に耽った<泡沫の夢>を描いた《田園》といえるでしょう。
 若い人へよりもむしろ、それなりに人生を積み重ねてきた良識ある大人たちにこそ手にしていただきたいディスク。過ぎ去った青春を慈しみつつ……。◆

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