第1617日目 〈マカバイ記一第5章:〈隣接諸民族との戦い〉、〈ギレアドとガリラヤ在住のユダヤ人の危機〉他withドラマ『スリーピー・ホロウ』を観ています。〉 [マカバイ記・一]

 マカバイ記一第5章です。

 マカ一5:1-8〈隣接諸民族との戦い〉
 シオンの山に神殿が再建され、昔日の栄光は取り戻された。が、周辺の諸民族はこれを不快極まりない出来事と考えた。激怒したかれらはヤコブの子孫たちを一掃し、これに従う民の根絶やしを謀った。
 ユダ・マカバイ。かれはイスラエルを包囲し、民に対するつまづきや罠となり、かつ苦しめる敵に対して戦い続けて、これらを撃ち破った。イドマヤ、アンモン、ヤゼルといった地方の敵がユダ・マカバイの軍勢の前に倒れて悠希、それに伴いイスラエルの勢力は拡大していった。

 マカ一5:9-20〈ギレアドとガリラヤ在住のユダヤ人の危機〉
 さて。その頃北方のギレアドとガリラヤに危難が訪れていた。それらの地方に住む異邦人によって、ユダヤ人一掃の計画が立てられていたのである。彼の地のユダヤ人はシオンのユダ・マカバイらに宛てて、救援を乞う書簡を送った。助けて、ユダ・マカバイ、あなただけが頼りです、という風に。
 さっそくシオンのユダヤ人は大集会を開いた。いまこの瞬間も艱難のなかにあって異邦人の攻撃に苦しめられている同胞たちのために、果たしてなにを成し得るかを協議するためである。
 その席上、ユダ・マカバイは兄シモンに言った。3,000の兵を率いてガリラヤへ行き、同胞の救出に当たってください。わたしは与えられた8,000の兵を率いてギレアドへ向かいます。
 続けてかれは、自分の留守中ユダヤを守る者として、ザカリヤの子ヨセフと民の指導者アザリアを任命した。出陣前にユダ・マカバイは、ヨセフとアザリアに言った。われらが不在の間は決して敵と戦うな、と。が、この指示は守られなかったのである。
 そうしてシモンとユダ・マカバイは軍勢を率いて、それぞれ目指す地に向けて出発した。

 マカ一5:21-45〈シモンとユダ、同胞を救出〉
 シモンはガリラヤの異邦人と戦い、眼前の敵を一掃した。敵兵から武具を剥ぎ取り、戦利品として多くの物を略奪した。斯くしてシモンとその軍勢は、ガリラヤ地方とアルバタ地方に住む同胞たちを解放して、ユダヤへ連れて帰った。
 一方ユダ・マカバイはヨルダン川を渡ってギレアド地方へ入り、同胞たちの現状について地元のナバタイ人から情報を得ていた。ユダヤ人たちの多くが、ボソラ、アレマのボツル、マケド、カルナイムなど、強固な守りで固められた大きな町に閉じ込められており、明朝にも異邦人たちがそれらの町に攻め込んでユダヤ人を全滅させようとしている、ということだった。
 ユダ・マカバイとその軍勢はボソラへ向かい、戦いの後にここを占領した。次に向かった砦の町は既に異邦人の攻撃を受けており、天にまで届くかというぐらいの叫び声が町のなかから起こっていた。かれは兵を3隊に分けて、敵の後方から襲撃した。⎯⎯相手がユダ・マカバイと知るや、敵は戦わずして四方へ逃げ去っていった。ユダ・マカバイは進撃の勢いを緩めることなく、マアファ、カスフォ、マケド、ボソルなどギレアド地方の町々を攻めてゆき、異邦人をことごとく退けてこれを滅ぼしていった。
 勢い衰えぬユダ・マカバイ勢は、セレコウス朝の将軍ティモテオスの軍勢と渓流に面したラフォンで対峙した。兵に率先して水かさの増した渓流をユダ・マカバイは渡り、アラビア人など怒れる周辺諸民族を吸収して大軍となったティモテオスの軍隊を破り、かれらが逃げ込んだカルナイム地方の町々を焼き払ってこれらを陥落させた。
 「もはや誰もユダに抵抗することができなくなった。」(マカ一5:44)
 シモン同様、ユダ・マカバイは解放したギレアド地方の同胞を連れて、ユダヤへ帰還した。

 マカ一5:46-54〈エフロンでの破壊〉
 かれらがユダヤへ帰るためには、途中でエフロンという町を通過する必要があった。ユダ・マカバイは町を通過する許可を求めたが、返事は「否」であった。のみならず、町の入口は石で塞がれ、入れないようにされてしまった。迂回路はなく、ここを突破するよりユダヤ人に手段はなかった。
 ゆえにユダ・マカバイとその軍勢は一昼夜に亘ってエフロンを攻撃した。「彼らは男子をことごとく剣にかけて殺し、町を跡形なく破壊し、戦利品を奪って、敵の屍を踏み越えて、町を通過した。」(マカ一5:51)
 こうしてかれらはヨルダン川を渡り、大いなる歓喜のうちにエルサレムへ、シオンの山へ、1人の犠牲者を出すことなく帰還したのである。

 マカ一5:55-64〈ヨセフとアザリアの敗北〉
 シモンとユダ・マカバイの武勲を伝え聞いたヨセフとアザリアは、功名心に駆られて、自分たちが不在の間は決して敵と戦わないように、というユダ・マカバイの指示を無視して、西方の町ヤムニアに出撃した。
 が、敵将ゴルギアスの攻撃に遭ったかれらは、2,000人の犠牲者を出したのみならず、ユダヤ国境まで追撃された。ヨセフとアザリアは斯様に大敗北を喫したのは、かれらがイスラエルの救い手となる家のものではなかったためである。
 「彼らはイスラエルを救うことをその手に委ねられた者たちの一族には属していなかったのである。それに引き換え、勇士ユダとその兄弟たちは、全イスラエルのみならず、彼らの名声を伝え聞いたすべての異邦人の間で大いに栄誉をたたえられた。人々は彼らのもとに集まって、歓声を上げた。」(マカ一5:62-64)

 マカ一5:65-68〈ユダ、南部と異国の地を奪う〉
 更にその後もユダ・マカバイは戦いに明け暮れた。ユダヤ南部にてエサウの子孫エドム人と戦い、ヘブロンにある砦を破壊し、周囲に火を放った。
 異国へ向かう途中通過した町マリサでは、一部の祭司が功名心に駆られて戦場へ出て倒れることもあったが、ユダ・マカバイは異国の地のアゾトへ入ると、そこにある異教の祭壇を引き倒して、神々の像を焼き、戦利品を奪い、ユダヤへ帰還したのである。

 イスラエルの救い手となるのはマタティアの一族のみで、他の家の者は何人であろうとそれを果たすことはできない。本章はそれを、ヨセフとアザリアの敗北、祭司の戦死という2つの記述で以て語っております。
 それにしても。イスラエル/ユダヤの自治自立という目的があると雖も、なんだかユダ・マカバイは血に飢えた猟犬のようであります。エフロンの一件はまさに好例。
 進むべき道を塞ぐものあればすべからく敵であり、ゆえに殲滅してもなんら構わない。それが無用の流血であっても、いったいなんの問題があろうか。そんな風にでも考えているのだろうか。これまでの読書で出会ってきたなかでも、好戦的という点では最右翼に位置づけられるのが、このユダ・マカバイであります。



 あと1ヶ月程で最終回を迎えるアメリカドラマ『スリーピー・ホロウ』(FOX)に夢中です。面白いドラマやらないかな、と番組表を繰っていたときに偶々見附けたので、あまり期待せずに観始めたのですが、すっかりハマってしまいました。ジョニー・デップ主演の同名映画ではありませんので、ご注意を。
 1871年アメリカ独立戦争のさなか、敵軍兵と相打ちになって命を落としたイカボッド・クレーン(トム・マイソン;『砂漠でサーモン・フィッシング』他)が250年の時を経て、現代のアメリカ、スリーピー・ホロウの町に蘇る。時同じうしてイカボッドを倒した敵軍兵、首なし騎士も現れて、2人の運命が再び交差して起こる、ややオカルト風味のミステリ・ドラマです。むろん、典拠となるのはワシントン・アーヴィングの同名短編、新潮文庫た岩波文庫で読めます。
 ドラマが進行するに従ってイカボッドの隠された過去が明らかとなり、また、首なし騎士を始めとする<闇の者>たちを操る<モロク>が画策する黙示録的終末と、それを阻まんとするイカボッドと警察官アビー、その上司や協力者たちとの対立が激化してゆく。
 「あらすじ紹介メチャ下手大賞」受賞者のわたくしが言うと、なんの楽しみもないドラマになってしまうが、ご関心ある向きは是非、FOXにチャンネルを合わせて(スカパー!ならch.651)火曜日の本放送、翌日以後の再放送をご視聴いただきたい! 残念ながらソフト化されていない作品のようで、TSUTAYAとか他のショップを回ってみても見つからない。D-Lifeでは放送しているのかしら。詳しくは番組HP(http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1843)をご覧ください。
 本作は脚本、配役、設定、演出、どれを取っても文句なしの第一級品と言えましょう。『フラッシュフォワード』、『LOST』、『CSI:MI』、『CSI:NY』いずれも終了してしまったいま、わたくしが完全に夢中になれる殆ど唯一の新作ドラマが『スリーピー・ホロウ』。次のキャッチアップ放送では全話録画だっ!!
 本国では既にシーズン2の制作・放送も決定。それも納得の2014年イチオシドラマです。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。