第1732日目 〈シラ書第16章:〈子供は多い方がよいとはかぎらない〉、〈罪人に対する神の怒り〉with短編集の感想は今週末にお披露目しますよ、という意思表示もしくは予告。〉 [シラ書〔集会の書〕]

 シラ書第16章です。

 シラ16:1-4〈子供は多い方がよいとはかぎらない〉
 どれだけ子宝に恵まれようとも、馬鹿や無能、親不孝者、主を畏れる心なき子供ばかりならいない方がマシだ。1人の信仰ある子は1,000人の凡子に優る。

 シラ16:5-16〈罪人に対する神の怒り〉
 かつて主は、その力を誇って叛逆した巨人たち、即ちネフィリムに容赦なき怒りを降した。それゆえもあり、全地は洪水に見舞われた。
 かつて主は、ロトの住む町とその住民を忌み嫌い、天から硫黄の火を降らせてこれを滅ぼし、その災厄を今日に至るまで語り継がせた。
 「憐れみと怒りは、ともに主のものであり、/贖う力、怒りを浴びせる力を/主は持っておられる。」(シラ16:11)
 主の憐れみは深く、主の咎めは厳しい。人は主により、各々の業によって裁かれる。罪人が群れ集う場所には焼き尽くす炎があがる。反逆の民の間に、神の怒りが燃えさかる。
 その代わり、施しの機会は主により用意され、人は皆各々の業に応じて報いを見出す。

 シラ16:17-23〈確かな主の働き〉
 主の道について思いを巡らす者はいない。
 主の業は、その多くが隠されている。

 シラ16:24-30〈創造の道〉
 主は初めの創造に於いて被造物のすべてに領分を定めた。それらは定めに背くことなく、互いの領域を侵すことなく働き続ける。

 ネフィリムとはなにか? 「創世記」第6章第4節に出る巨人たちがネフィリムと呼ばれていた。曰く、──
 「当時もその後も、地上にはネフィリムがいた。これは、神の子らが人の娘たちの所に入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった。/主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。」(創6:4-5)
 また、このネフィリムはわれらが「シラ書」に入る前まで読んでいた書物「知恵の書」第14章第6節にも見られる(「その昔、高慢な巨人たちが滅びたとき、/世の希望であったあの人は木の舟で難を逃れ」云々)。
 ネフィリムによってのみばかりであるまいが、主は自ら創造した人が、地上に悪を蔓延させていることを憂うて、40日40夜雨を降らせ続けて全地に洪水をもたらし、生きとし生けるものを滅ぼしたのであった。方舟で彷徨う義人ノアとその家族、つがいにして集めさせた動物を除いて。
 ネフィリムの名は、ノアの物語の導入として記憶されるようだ。「民数記」第13章第31-33節に於いて、カナン侵攻に反対する者たちが敵アナク人はネフィリムのような巨人だ、と言い立てたのは別として。しかしこれとて、如何にネフィリムが体躯大きく力の強い存在として語り継がれてきたかを示す挿話である。
 本章は、読んでいて非常に徒労、語るに価値なしと思わせられること多々ある章であった。息抜き回であろうか、とさえ疑ってしまう程だ。特に〈確かな主の働き〉は何度読み返してもさっぱり訳がわからぬ。聖書の言葉のすべてが価値あるものではない。それを如実に示す一章といえるだろう。



 えーっと。実は村上春樹の短編集『女のいない男たち』(文藝春秋)の感想をお披露目しようと思い、下書きをモレスキンに書き綴ってみたのですが、なかなか意に満つものに仕上げられずうんうん唸り、四苦八苦し、おまけにいまいるカフェも、今日に限って通常より早く閉店ということで腰を上げざるを得ず……。
 要するに今日は感想文を書きあげるのを断念して、そろそろ家に帰ろう、というのであります。ちょっとお腹がすいたから、途中でラーメンでも食べてね。まぁラーメンは冗談だけれど、感想文は明日以後も機を見て筆を執り、可能な限り今週末にはお披露目できる状態にしたいな、と思うております。あ、ということは、それまで単行本をリュックのなかに忍ばせておかなくてはならないのか。
 勿論、『スプートニクの恋人』のときのように、読了から半年近く経ってようやく感想が書けた、ということもあり得ましょう。『ねじまき鳥クロニクル』や『海辺のカフカ』のように未だに感想の一文字さえ書けていない作品のようになってしまうかもしれない。
 『女のいない男たち』の感想がどちらに転ぶかわかりませんが、種を蒔かないことには、先に進むべきものも進まない。今回のように途中で放棄したに等しい原稿であっても、なにも書かれていないよりは遥かにマシであります。このことについて、ヒルティが『幸福論』のなかでいうております、まずは取り掛かれ、と。けだし真実であると思いませんか?
 それにしても今回のこのエッセイ。エッセイというよりは予告になっていますね。えへ。◆

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