第1842日目 〈結婚するかつての恋人よ君に幸あれ、オーディオ・ドラマ『キリノセカイ』を聴いています;他〉 [日々の思い・独り言]

 ○スピッツの好きだった女の子がいた。いまはもうないカフェで出会い、恋して、交際し、情欲過多に絶えきれず、別れを切り出したら、当方をストーカー扱いした子だが、この子がなんと結婚したという。あの子も40を越えた。肩の荷も下りたのだろう、かねてより交際していた勤め先の上司との間に子供を設け、3月に結婚する云々。
 殆ど機能していない本ブログのコメント欄を通して、彼女自身がそれを知らせてきた。念願だったカフェも今年初夏に住んでいる街にオープンするので、プレオープンの日は来てほしい。結婚を知らされて唖然呆然、ちょっぴり悔しがっている自分がいることに気附き、やや戦慄。
 まぁ、なにはともあれ目出度いことはいいことだ。しばしiPod touchに入っているスピッツを聴いてようやく訪れた彼女の、今度こそ<本当の>幸せを祈り、十数秒のそれを終えるやエリック・ドルフィーの『アウト・ゼア』を聴き直す。

 ○どんなに嫌な、ソリが合わなかったり生理的嫌悪感を抱いたり、そんな上司がいまの職場にいたとしても、かつての上司よりははるかにマシである。すくなくともその上司ゆえに退職や異動を願い出ることはないから。
 ──そんなことを教えてくれた、明け方の夢。

 ○こんなわたくしであっても、本ブログの点検を月に一度程度はしている。今日それを行っていて気附かされた、思わず「あっ、いけない!?」と叫びたくなった事実──「シラ書」もあと数日で終わり、という時期にいったん公開した記事を障りあって引っこめたことがある。
 その後、推敲し直してほぼ改稿というに等しいレヴェルのものとなった。が、それらをわたくしは引っこめたままにしてしまっていた様子なのだ。うっかりしていた。10月のカレンダーはそれゆえに最後の数日が空白になっている。何たることか!?
 しかも今回は、気附いてしまったことが災いした。過去の当該原稿をHDDから探し出し、また飽きずそれに手を加え始めてしまったのである。今度は以前程の作業にはならぬだろうが、それでも副詞や接続詞を変えたり、文章の構造がすっかり変わってしまったり、という箇所は、指折り数えれば両の指すべて使うぐらいには、ある。
 ちょっと困った事態に陥り、一時は頭を抱えてしまったけれど、峠はぶじに越えた。これは新約聖書の読書中に人知れず、こっそり再びのお披露目をさせていただく予定でいる。

 ○いつであったか、前述のiPod touchにもはや新しく音楽やPodcastなど取りこむことが不可能になってしまった旨、本ブログのエッセイにて書いたことがある。事情はまるで変わらずで、いまはもうそんな事態には馴れてしまい、現在件のiPod touchは常時枕辺に待機して、快き睡眠の呼び水としての役割を果たしている。
 その代役として就任したのが、iPhone5である。2年縛りから解放されて検討している機種交換を行ったら、本機は携帯音楽プレーヤーとして第二の人生を謳歌することであろう。その序奏は既に始まっており、いまはiPhone5にアルバム10数枚の音楽と4つのPodcast、5つのオーディオ・ブックが収まる。
 実は専ら聴くのはPodcastとオーディオ・ブックで、いまはウェルツ・ミュージック制作のオーディオ・ドラマ『キリノセカイ』を聴くことが多い。このたび、iTunesカードを新しく購入したのを契機にiPod touchtouchにいろいろオーディオ・ブックを取りこんでいた頃から気になっていて、しかし、さんざん迷い、ためらった挙げ句に購入を見送っていた作品である。判断材料にするプレビューがわずか30秒程度とあっては、即断などできようはずもないではないか。いろいろ事情があるのもわかるけれど、せめて2分程度はサワリやキモになる箇所を聴かせてもらえないだろうか。オリジナル・ドラマを制作する側にも販売する側にも、一意見として呈したい。
 わたくしが購入したのは1話ずつ配信されたものではなく、その後いわゆる<ディレクターズ・エディション>として再編集・シーンの追加がされたコンプリート・セットである。これがだね、ワトスン、3話しか聴けていないにもかかわらず、どうしてあのとき清水の舞台から飛び降りる覚悟を固めて1話ずつでも購入していかなったのか、と悔やまれる程に質の高いドラマだったのだよ。わたくしは全体を俯瞰して本作を評す立場にないが、これ程に次の回を楽しみにさせる作品もそうそうないのではないか。脚本もキャストも音響も文句なしのクオリティ。iTunesに寄せられた数多の好評/高評も納得である。
 良質のドラマは、紙媒体であれ電子書籍であれ、目で活字を追い脳裏で場面を想像するよりも、耳から入ってくる物語はずっと想像力を刺激させられ、かつ描かれる場面は生々しいものだ。濃密に濃密を重ねた、心の奥にずっしりと重量感ある物語体験をさせてくれるオーディオ・ドラマに出会えたことを幸運に思う。
 残り8話、9時間強。まだまだ楽しむことができる。ああ、この喜び!

 ○わたくしはここで読者諸兄に大切なことをご報告しなくてはならない。即ち、明日から新約聖書の読書に取り掛かることにした。
 出航の汽笛は間もなく鳴らされるだろう。◆

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