第2118日目 〈iPad Proは必要なのにないよりも、必要ないのにある方がいいのかな?〉 [日々の思い・独り言]

 Appleから新しいタブレット端末、iPad Proが出るよ、と正式告知されたのは10月末のことだったでしょうか。折に触れていうてきたように、さんさんかはiPadが欲しい、と思いつつも常にためらいを抱いてきたのであります。
 初期費用、ランニングコストのこともありますれけれど、それ以上に未だiPhoneとMacの棲み分けについて結論を出せないことが、いちばんの要因でしょうか。実際にiPadを所有してしまえば、日々使ってゆくうちにそれなりの方向性も見出せるのかもしれませんが、そのあたり、暗中模索、五里霧中というよりも皆目見当が付かぬ、というた方が正しい状況ゆえ、「あるに越したことはないかもしれないけれど、なくてもまったく困らない」というのが偽りなき心情。
 iPadを持ち歩くことになったら、Mac Book Airはいま程の頻度で用いることは殆どなくなることでしょう。それは容易に想像できる未来の自分の姿。でも、iPadを所有し、常より携行することになったとして、いったいなにをするのだろう。そもスマートフォンとノートパソコンの中間に位置する端末を、わたくしはどのような場面で必要とするのだろう。旅行のときに使うであろう、が、わたくしはさほど頻繁に旅空に在るのではない。電子書籍を読むのに使うのだろうか、が、わたくしはiPhoneに入る青空文庫ですら読む機会を殆ど持たないのである。映画を観るときに使うであろうか、が、出先で映画など映像作品を観るだけの時間がわたくしにあるだろうか。撮った写真を皆で見たり、Facebookを使っていない人たちに向けてFacebookを利用していまはかれらがなかなか近境を知り得ぬ人の投稿を見せてあげたりするが精々。それらとてしばしば出来することではなく、かというてそのときに備えて準備しておくのも馬鹿馬鹿しいお話であります。
 iPadは欲しい。が、日常的に使う機会はあまりなく、普段はリュックに入れっぱなしか、部屋で出動のときを待ち続けてもらうか、いずれかとなろう。あれば使うだろうから宝の持ち腐れにはなるまいが……、といい始めると、また本稿冒頭に話題が戻るから、ここではやめておく。
 そこでようやく、なんとなく無理矢理に、iPad Proの話となります。これの外寸はAppleの公式Pに拠れば、307㎜×220.6㎜×6.9㎜(重量は723g)とのこと。やはり、大きい。現在使っているMBA13とさして変わりません。なんだか屋外では使い勝手が悪いような気がします。歩きながら自分の現在地を調べたり、目的地までのルート確認など、馴れてしまえばなにも感じなくなるのでしょうが、いまのわたくしには大きすぎると感じるがゆえに勝手の悪さが目立ってしまう。
 となれば、自分が持つとすれば最新機種であるiPad Proではなく、昨年に発売されてパフォーマンスの良さ、持ち歩きに伴う支障の少なさを実感し得たiPad Air 2かな、と倩思うたりする。正直なところ、iPadProの直前に発売されたiPad mini 4にも心惹かれるのですが、却ってiPhone 6s Plusとの棲み分けが難しくなりそうだから、ここでは候補に入れないこととします。ちなみに、iPad Air 2とiPad mini 4の外寸と重量は以下の通り。
 iPad Air 2:240×169.5×6.1㎜ 444g
 iPad mini 4:203×134.8×6.1㎜ 304g
 なお、本稿で重量を記したiPad3機種はいずれもWi-Fi-Cellularタイプである。
 嗚呼、なんとも悩ましく、贅沢な問題であることよ!

 ──と、ここまで書いて考えた。いまは翌日の夜。天気予報通り、冷たい雨がしとしと降っている。考えたのは勿論、iPad Proは自分に必要なのかなぁ、ということ。
 実は昨日から今日までの時間、某家電量販店のApple Shopで再び実機に触れてきたのだが、そこで現時点での結論を見出したような思いがしています。
 わたくしはiPad Proを購入しない。こいつはわたくしの手に余る。代金約13万円を支払って結局宝の持ち腐れになる予感はじゅうぶんにあるのです。勿体ないですよね。これ程容易く未来が創造できるケースは、なかなかありません。やはりiPad Air 2かiPad mini 4のどちらかで良い。外出先で使うにはサイズが大きいですよ。そうして、重い。MBAに代わってリュックのなかに入れる意味も、ない。同時発売の専用キーボード、Smartkeyboardを付けたら余計に重く感じることでありましょう。肩凝り、腰痛持ちにこれはいま以上の拷問にもなりかねませんよ……!?
 とはいえ、日が経つにつれて思いは千々に乱れて迷い、ハムレット気取りの形相でそこいら辺を歩き回り、年が改まったことにはしれっとした顔で「iPad Pro買いましたけれど、なにか?」なんて平然と曰うているやもしれぬ。そう、無邪気な顔して「買ったよ!」と報告したとしても、ここで吐露した思いはなかったことにして、iPad Pro購入した事実に変わりはない。
 相も変わらず、あっちへうろうろ、こっちへうろうろな物欲が横行したエッセイで恐縮だが、なにやら川端康成がどうしても購入したい骨董品と巡り会って様々資金の算段をするがままならず手許にそれを置くのを諦めるまでを随筆に認めた気持ちは、おこがましくも良く理解できるのです。買い物について文章を書く効能は、購入するまでの資金の捻出についてあらゆる面から検討させ、手許に置けるか否かを冷静に分析させ、挙げ句に諦めを思い起こさせる点にこそある。すくなくとも今回のわたくしのiPad Proにまつわる原稿も、同じ道を辿って書かれたものであることは読者諸兄には瞭然でありましょう。
 んんん、果たしてiPadなるガジェット、必要なのにないよりも、必要ないのにある方がいい、というフレーズで片附けてしまえる類のものであるのかな……?◆

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