第2222日目 〈有川浩『海の底』を読みました。〉 [日々の思い・独り言]

 『図書館戦争』シリーズを発端として集中的に行った<有川浩読書プロジェクト>、3年近くの中断を挟んでの第2幕は本日読了した『海の底』(角川文庫)から始まりとなる。本日は読了報告のみなので感想の筆は控えるが、<自衛隊三部作>のうちでは本作がいちばんのお気に入りだなぁ。それって子供の頃から空自より海自の方が好きだったせいかも。
 ラブコメ度でいえば、読んでいて足をジタバタさせられる『図書館戦争』シリーズや『植物図鑑』程ではないが、勿論こちら『海の底』にもその要素はしっかりと練りこまれている。番外編である「クジラの彼」と「有能な彼女」(共に『クジラの彼』所収 角川文庫)も併せて読んだけれど、そちらも含めて小声でそっと告白すれば、わたくしには『海の底』の方が性に合います。
 有川浩の場合、ラブコメ度が全開な作品の方が本領なのだろうけれど、針が振り切れたようなその描写、その濃度は時として辛くなってしまうのだ。端的に申してしまうが、傍観者として読むには少々心が痛いのである。それもあってだろう、わたくしには『海の底』の方が性に合う、というのだ。
 それはさておくとしても、本作はとても面白くて、痛快で、のめり込ませる小説。これを読む往復の通勤電車の片道10分弱、或いは1人になった昼休憩のわずかな時間の憩いとなり、回復となり、至福の一時となった。──この3年間で読まずに買うだけだった著者の単行本、文庫本はまだまだあるので(失礼)、いま暫くは『海の底』同様のすばらしきエンタメ小説読書の時間を過ごせそうだ。これを幸福といわずになんといおう?◆

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