第2287日目 〈ヘブライ人への手紙第12章1/2:〈主による鍛錬〉with哀れ、『クドリャフカの順番』〉 [ヘブライ人への手紙]

 ヘブライ人への手紙第12章1/2です。

 ヘブ12:1-13〈主による鍛錬〉
 前述したように、われらはおびただしい数の証人に囲まれています。だから、あらゆる重荷やわが身わが心にからみつく罪をかなぐり捨てて、自分に課せられた競争を忍耐強く走り抜き、完走しようではありませんか。そのとき、われらは信仰の完成者であり導き手であるイエスを常に視野に据え、見つめていましょう。イエスは自分に対する罪人たちの抵抗──反抗、というべきでしょうか──を耐え忍びました。あなた方は気力をなくして疲れてしまう前にこのイエスのことをよく考えなさい。
 「あなたがたはまだ、罪と戦って血を流すまで抵抗したことがありません。」(ヘブ12:4)
 主の鍛錬に忍耐しなさい。神はあなた方をわが子として扱っています。もしこの鍛錬を受けていないならば、あなた方は庶子です。嫡子ではありません。われらは生ある間は肉の父によって鍛えられ、為に肉の父を尊敬しています。ならば神についても同じではありませんか。肉の父は子を、自分の思うところに従って鍛えますが、神は実の子をかれらの益となるよう、自分の聖性にあずからせるため鍛えるのです。
 「およそ鍛錬というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、後になるとそれで鍛え上げられた人々に、義という平和に満ちた実を結ばせるのです。」(ヘブ12:11)
 だからあなた方は萎えた手と弱った膝をまっすぐにしなさい。足の不自由な人が道を踏み外して迷子になったりしないように、むしろ癒やされるように、あなた方はまっすぐな道を造りなさい。

 ──ヘブ12:12-13はちょっとわかりにくい文言かもしれません。いったいなにをいわんとしているのでしょう。他訳の聖書や注釈書など読みますと、だいたい以下のようになるのではないでしょうか。つまり、神の懲らしめと鍛錬は命ある限り続くので厳しく、また時に悲しいものと感じられるけれど、怠惰と我儘と無気力を振り捨てて、勤勉と自制心(自律心)と活力を取り戻して、まっすぐに道を歩きなさい、ということです。
 わかりにくい、というのを一概に新共同訳の責に帰すことは勿論できませんが、現在進行中のあたらしい共同訳ではそうした不分明な箇所が(一掃とはいわずとも)少しでもゼロに近附いてくれるのを望みます。いっそのこと、文芸方面の実績ある翻訳家や或いは小説家もチームに参加させれば良かったのにね。

 本日の旧約聖書はヘブ12:2と詩110:1、ヘブ12:5-6と箴3:11-12(但し70人訳ギリシア語聖書)。



 <古典部>シリーズの読書は米澤穂信(直木賞ノミネート!)『クドリャフカの順番』になってからだいぶペースを落としたが、それが単純に読み応えあるからとは考えない。本書がつまらないわけでもない。では、なぜ? 一時的な情熱の薄れ? もしそうならば、対象が本であれ人であれなんであれ、よくある話だ。わたくしを語るに不可欠な一過性の怠惰に見舞われているだけであろう。そうだと信じたい。
 その『クドリャフカの順番』を悲劇が見舞った。昨夜に突然降り来たった大雨のせいだ。リュックのオープンポケットに入れたままな『クドリャフカの順番』は水を吸ってページの隅にシミとシワが出て、掛けていた書店のカバーの色が移ってしまった。古本屋へ売りに行ったら即座に弾かれて可燃ゴミとして選り分けられること必定な状態である。
 でも、これをそのまま処分するつもりはない。買い換えるつもりもない。本屋に行って代替品を買ってきて途中から読み始めても、それは最早わたくしが機を得て買い集めた<古典部>シリーズの1冊ではないのだ。見てくれは一緒でも、購入した当座のわたくしのときめきはそこに一欠片もない。半分程読み進んできたことから生まれた愛着も、ある。加えていえば、買い換える程のダメージとは思えない。煤に塗れた本よりはずっとマシだだろう。
 雨に濡れてベコベコでシワシワになった本を持つのはこれが初めてではない。高校時代から始まって幾つもある。でも、『クドリャフカの順番』は記録にも記憶にも留めるに値する、稀なるダメージを被った本であるように思う。帰宅してリュックから真っ先に取り出し、想定外な状態に接したときは、うわぁ……、としか言い様がなかった。にもかかわらず、買い換えよう、だとか、捨てようだとか、微塵も感じなかったのは前述の通り。
 「十文字事件」は壁新聞部の知るところとなり、漫研騒動もピークを迎えた。今週末には読了するはずだ。読み始めたときとは姿を幾許か変容させた『クドリャフカの順番』を楽しむのもあと数日──。◆

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