第2335日目 〈愛が深ければ語るも至難、されど我は語る、『ラブライブ!』を〉 [日々の思い・独り言]

 人はどの段階に至ればラブライバーと見做されるのか。
 昨年、μ’sはNHKの音楽番組に数度出演し、紅白歌合戦にて遂にその名を全国津々浦々のお茶の間へ知らしめた(但し、定着したかといえばそれは別問題となる)。年が明けたらばアニメ・シリーズ第一期が放送され、途中μ’sのファイナル・ライヴとラスト・シングルのリリースという2.5次元の出来事を挟み、年度改まって後にアニメ・シリーズ第二期の放送が始まった。勿論、これは地上波、NHK教育でのお話。μ’sのファイナル・ライヴの前後にはCSのディズニー・チャンネルに於いて第二期が放送されていた。
 観た? 当然。胸を張って回答できる。『ラブライブ!』が以前から気になっていたのは確かだ。TSUTAYAへ行けばアニメの棚に面陳されたDVDを借りようか、と迷うたことは度々あったし、それはCDであっても変わるところではない。やがて興味/関心/好奇心は最高潮に達する。それに並行して電脳空間を彷徨っては作品そのものと周辺の情報を蓄えてゆき、言い換えれば余計な情報までをも取りこんでゆき。──にもかかわらず、わたくしは『ラブライブ!』本編に手を伸ばそうとはしなかった……。
 どうしてか? 答えは割に単純だ。機がまだ熟していない、とわかっていたから。本能的にそれは察していた。そうして、事前に最高潮に達していた興味/関心/好奇心を維持したまま、わたくしは『ラブライブ!』本編の鑑賞という待ちに待った体験の扉を開けることができる、と確信していたからに他ならない、ともいえるだろう。顧みればNHKの音楽番組への出演は年末の紅白歌合戦出場、年明けのアニメ・シリーズ放送を検討するための布石であったのかもしれない。結果としてμ’sは紅白歌合戦に、メンバーの1人が怪我によって欠場せざるを得なかったとはいえ出場して堂々たるパフォーマンスを披露し、その数日前に待望のアニメ・シリーズ放送もNHK公式サイトにて告知されたのだった。
 諸君、喝采せよ、時は満ちた。斯くしてわたくしはTSUTAYAでのレンタルは回避して……『ラブライブ!』第一期と第二期、劇場版を鑑賞済みである。えへ。
 で、観てみてどうでしたか? 誤解を恐れず告白すれば、自分でも信じられないぐらいこのアニメを愛してしまったよ! 放送日はまず間違いなく出勤日だったから、夜中に帰宅して遅い夕食を摂りながら録画したものを見るのが最高の愉しみであり、最良の癒やしとなっていたのだ。まぁ、いろいろある時期だったからね。
 それに、ああん、もう! 主人公の高坂穂乃果がべらぼうに可愛いんだよ、まったくもう! 自分がホノキチであるのはじゅうぶん自覚している。
 かつて松井玲奈はこの主人公の親友、南ことりを指して「わたしの嫁」というたが、その伝でゆけば高坂穂乃果はわたくしの「孫」である。孫? 娘ではなく? 然り、孫だ。娘ではない。
 スクール・アイドルの頂点となったグループμ’sのリーダーにして和菓子屋「穂むら」の看板娘、子である穂乃果のあれこれを思うとパパはもうおちおち眠っていられない。ソワソワする、どころの話ではなく、大金注ぎこんで警備を付け、それでも心配と不安と愛情がカオス化して仕事なんて上の空。娘の身を案じた挙げ句に仕事を休んで半ストーカー化して、「パパ、好い加減にして!」と頬膨らませて抗議してくる彼女の姿に蕩けつつも意気消沈するのが関の山。仏頂面の穂乃果にパンを与えて「いやぁ、今日もパンが美味い」なんて満面の笑顔を伴った台詞は引き出せそうもない。その点、孫ならば……シミュレーション開始──数分経過──終了。よし、妄想完璧。万事抜かりなし。ミッション・コンプリート(マック・テイラー風に)。
 なあ、そこの君、ドン引きするのはやめてくれたまえ。ボクニハどん引きサレル理由ガワカラナイヨ。Good grief.
 穂乃果への身内の者的な愛情の発露はともかく、今年になってようやくシリーズ全26話と映画版を鑑賞し得た幸せをしみじみ噛みしめている。これって2016年上半期、上から2番目の幸福かなぁ。
 愛が過ぎれば上手に語ることは難しい。まずは『ラブライブ!』総合的感慨として本稿をお披露目して以て前編としたい。いつかわたくし的『ラブライブ!』愛を憚ることなく吐露して後編と為し、補うようにiPhoneとiPodに取り込み済みでスイッチが入ればヘヴィーローテーションするアルバム『μ’s Best Album Best Live! Collection Ⅱ』を中心に久々のレヴュー記事を物すことを企んでいるところである。
 さて、それではチェリビダッケの顰みに倣ってビールとチーズを用意してCSのサッカー中継を観戦しながら、ぼんやりした頭で『ラブライブ!』小説のプロットでも拵えるとしよう。BGMは──「輝夜の城で踊りたい」?◆

 本稿はと或る『ラブライブ!』ファン運営のHPへ寄稿して公開終了となった原稿に加筆修正の上、本ブログへ再掲載するものである。関係者各位に、サンキャー。□

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