第2475日目 〈報告と展望;エラリー・クイーンを買いこみました。〉 [日々の思い・独り言]

 昨年末よりこの方、脳裏から離れず居坐っていた懸案事項=ずっと書きあぐねていたエッセイの第一稿を、ようやく書き終えました。これから推敲などいろいろありますが、一応は形になって完成した文章がノートにある事実に安堵しております。
 だから、というわけなのかもしれません。久世光彦『一九三四年冬──乱歩』の感想が書き終わったその足で、ふらふら向かったのが本屋さんで、棚の前に陣取ってからはエラリー・クイーンの作品を探していたのは。というのも、久世の小説ではバーナビー・ロス著『Yの悲劇』を巡る乱歩と探偵小説マニアな人妻の談義が物語の一角を占めており、感想を認めるため何度か読み返しているうちにクイーンの小説に興味が湧いたからなのです。
 然様、わたくしはこれまでクイーンの小説をただの一作も読んだことがなかった(と記憶する)。ロジカルな作風であることが事前にわかっていたので、どうも頭の中身が論理的にできていない自分には縁遠い作家のように思うていましたから。
 でも、文庫化された青崎有吾『体育館の殺人』と『水族館の殺人』をきっかけにクイーンを読んでみようかな、と倩考え始めた。それから数ヶ月、遂にこの期に及んで久世光彦『一九三四年冬──乱歩』が背中を押した(ダメ押し、とも)のでありました。感想文を書いていたスターバックスの近くにある古書店にてロス名義で発表された『Xの悲劇』、『Yの悲劇』と『Zの悲劇』、そうして国名シリーズの1作目『ローマ帽子の謎』を買いこみ、新刊書店で『レーン最後の事件』と北村薫『ニッポン硬貨の謎』を購入。本稿を書くまでちょこちょこ摘まみ読みしていた……。
 昨年は江戸川乱歩と横溝正史を振り出しにして、自分の関心は再び推理小説へ向かいました。何年もの潜伏期間を経て甦った<熱>に浮かされるまま、森下雨村や夢野久作といった戦前作家から綾辻行人や歌野晶午など現在活躍する作家の作品まで買い漁って、いまそれらは例の未読の文庫の山のなかにあって待機中である。その過程でクイーンが待機読書のリストに加わったことは、大袈裟かもしれないが一種の僥倖といえましょうか。たぶん、クイーンを皮切りに久しくその動向をチェックすることすらしていなかった海外ミステリにまでその関心は向けられ、未読の作家、かつては読んだけれどもう一度読みたい作家を選んで買い漁ることになるのでしょうね。……んんん、この未読の文庫の山が消えてなくなる日は、果たして本当に来るのかなぁ。<読者への挑戦状>と洒落てせっせと読書に励むしかないね……。good grief.
 とまれ、今年2017年は国内外のミステリ小説への帰還の年、と位置附けましょう。乱歩に感謝、久世に感謝、クイーンに感謝。◆

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