第2764日目 〈岩波文庫の、ここが嫌いだ。【備忘】〉 [日々の思い・独り言]

 私的〈岩波文庫の100冊〉を性懲りもなく選んでいる最中なのですけれど、その過程でどうしても気に喰わないことがただ一つ。
 もう30年ばかり定期的に復刊を繰り返してくれているお陰で、古本屋を探してもなかなか見附けられなかった書目が容易に入手できるようになるのは、たいへんありがたいことだ。古本屋の棚に見附けてもちょいと売り値のお高い書目が、重版されることもあるので、そちらに関しても感謝の言葉しか見当たらない。
 が、復刊・重版されるもののなかには、もう活字が細くなっていたり、かすれて読めなくなっている部分を孕む書目も、稀にある。紙型がすり減ってきたのだろうが、これは困る。文庫は視力の良い人たちの専有物ではないのだ。まぁ、こんなこといっている時点でそろそろ老眼か、と自覚しつつある証拠なのだが、この点、どうにか解決できないものだろうか。
 もはや改版の領域にさしかかるお話だが、殊に黄帯の復刊書目なんて、相当ヤバいものがある。書名は出さぬが、中世期の某作が復刊されたときは、やれ嬉しや、と勇んで書店へ駆けつけたが、巻を開いて活字の薄さに並行して、けっきょく購うのをやめた程である。その後どうしても必要になり、渋々買うたけれど……。
 岩波文庫をたくさん並べて本棚に並べて悦に入っている、それを写真に撮ってSNSにあげて阿呆みたいに喜んでいるだけの輩には無縁の問題であろうが、買った岩波文庫をきちんと読む側には大問題なのですよ。
 本稿、いわゆる備忘の域を出ぬがため、実際に私的〈岩波文庫の100冊〉をお披露目する前後で改めてこの問題を、今度は実例を挙げてお話ししましょう。いまは寝る。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。