第2876日目 〈みくらさんさんか、封印原稿について述べること。〉 [日々の思い・独り言]

 一度は下書きというか第一稿というか、そういう代物を仕上げたはよいものの、お披露目に至らなかった原稿は幾つもある。使用中のこのモレスキン、ラージサイズ方眼ノート(ハードカヴァー)にも、1つ。結びのマーク(◆)に至ることなく放棄したものは、勿論除いている。
 そんな風に陽の目を見なかった原稿をふたたび取り挙げる日は、果たして来るだろうか。これまでの実績を踏まえていえば、可能性は精々2割がよいところか。時が経れば次第に新鮮味は当然、書かれた内容や意見にギクシャクしたものを感じ、文章にも偽善の臭いを嗅ぎ取ってしまう。逆にいえば、そんななかからサルヴェージして改修を施し、どうにかお披露目できるぐらいまで(時に結構骨折って)仕立て直した原稿には、わたくしをしてそれだけの労を執らせる<輝き>があったのだろう。
 次のエッセイがなかなか書けず苦吟しているときはふと、過去のノートを漁って、「なにか使えそうなものはないかな」と期待してもみるのだが、結果が空振りに終わって時間を無為に使うただけじゃ、と嘆くのが火を見るより明らかなため、チャンドラー式に、否、最近は専ら第2873日目式に、心へ浮かぶ由無しことをひたすら書いてゆく(打鍵してゆく)ことになる。
 今年1月の終わり、下書きというか第一稿というか、そんな代物を書いて現在絶讃封印中なエッセイが1編、このモレスキンにはある。なにについて書いたか。『ラブライブ! サンシャイン!!』(以下、『LLS』)についてだ。全体のムードは、ネガティヴな色合いが濃い。炸裂してしまっている、といい変えても間違いではない。お披露目の機会を自ら棄てた理由は、そこにある。<るさんちまん>なんて一言で片附ける気にもなれぬ、どんよりとして、やたらと好戦的な文章だったのだ──。
 たぶん、日頃から胸の奥で燻っている複雑な気持ちを、ぶちまけたくなったのに違いない。吐き出してしまわないと、病むばかりですからね。キャストの1人がイヴェントで発した言葉に噛みつき、沼津の経済効果、今後の成長について憂いを示したり、おいお前は果たして何様であるか、と罵詈されても、まぁ仕方ないかな。
 持病さえなかったら他の熱心なライバーたちと同じように、ライヴやイヴェント、ライヴ・ヴューイングに参戦し、聖地・沼津への巡礼を平均月に1回は行っていたことだろう。なんというても沼津は子供時代を過ごした、第2の故郷。現役の在住民にはかなわないが誰彼を引き連れて迷うことなく各所を効率的に、かつ濃厚に巡礼して回り、外来客は足を向けること躊躇うだろう穴場スポットにて憩うこともできる。即ち、愛のみがあって憎なんて毫も抱くことなく、『LLS』を好きでいることができたはず。
 ──件の代物を、いま読み返してみた。ゾッ、とする。『LLS』になんの思い抱かぬ、またそも存在を知らぬ人が読んでも、覚える感情は不快以外の何物でもないだろうその原稿、されど永劫に破棄するつもりになれないのが本心。今後の再利用の可能性を視野へ入れてのことに非ず。もっと別次元のお話だ。以て戒めとし、己への諫めとせよ。
 ゆりかもめに乗って豊洲の運河を見おろしながら、こんなことを思う。いつか『LLS』について、憎をいっさい配して本来の、愛情たっぷりな文章を書ける日が来るのだろうか。咨、そうするにはモナミ、わたくしはちょっと血の気が多いようでありますよーソロー。◆

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