第2986日目 〈春は別れの季節なり。〉 [日々の思い・独り言]

 先日、天皇陛下の皇太子時代のことを書いたら「不敬者!」なんて言われたんだけれど、いったいいまはいつのなんていう時代なんだ。まったくもう。が、これにめげるみくらさんさんかではない、読者諸兄も既にご承知の如く。ゆえに、本日のエッセイの書き出しも、こんな風にさせていただく、──
 オックスフォード大学留学時代の陛下の部屋の鏡に、柏原芳恵のブロマイドが貼られていた、という話をしたけれど、その柏原芳恵に「春なのに」という名曲がある。この時期になるとどこかしらの音楽番組で流れることしばしばで、非常に情感のつまった詞にメロウな歌声が調和した一聴して忘れ難き曲だ。
 いまの時期は別れの季節である。学校であっても会社であっても、それに限らず人集う場所に己を置くならばそこには斯様な愁嘆が生まれるのは、避けられぬことだろう。そんな場に自分があるとき、条件反射のように脳裏によみがえるのは、他ならぬこの「春なのに」の一節;♪春なのに、お別れですか。春なのに、涙がこぼれます♪ これがまた別れの感傷を更に増幅してくれて……いやぁ、時として身の処し方に困ってしまう程だ。
 此春のわたくしはいつの年にも増して、<別れ>を痛烈な思いで受け止めている。いったいなんなんだろうな今年は──。
 逐一それを報告する義務はないので、詳細は省く。
 ただ、思い出を消えてゆかぬようにするため書き留めたい人があるとすれば、ジムでお世話になったトレーナーの男性とカウンターの女性かな。このお2人とははじめてジムを訪れたその日、お目にかかったのである。
 説明を聞きに行っただけなのに、その約1時間後には入会していた。別に攻勢を掛けられたわけではない。いまなら何十パーセントオフで入会できますよ、とか、この魅力的な特典が付けられるのはいまだけですよ、とか、そんなことは一度もいわれていない。いや、マジさ。
 女性の説明が丁寧でわかりやすく、こちらの質問に明確かつ的確に答えてくださったこと。ご本人にも昨日(03月29日/最終出勤日)お伝えしたことだが、この女性が担当してくれなければ、たぶんわたくしはジムへの入会を決めていない。また、トレーナーの男性がこちらの希望を聞いてトレーニング方法と日常生活で心掛けるべきことなど限られた時間で真剣に向き合ってくださったこと。そうしてジム全体の見学を終えるときには入会を決めていた……結局のところ、決め手になるのは<人>なんですよね。
 そんなお2人とも今月03月でお別れ。ゴタゴタが立て続けにあった今月だけれど、時間を作って最後にご挨拶できて本当によかった。寂しいけれど、心残りはない。サンキャー。
 おまけにカウンターの女性については新しくパーソナルトレーニングを担当してくださる方と草野球チームで一緒とのことだし、トレーナーの男性についても異動というだけでまたいつかお会いできる日があるかもしれない。そんな淡い期待を胸にして、お2人とお礼の挨拶ができたのは、本当によかった。寂しいけれど、後悔はない。サンキャー。
 ──職場についてもやはり時期的に別れと無関係ではいられないが、コールセンターである以上人の出入りが烈しいのは当然のこと。ならば、それについて一々涙流すとか感傷的になるなんて、どんだけ覚悟なしでここに来たんじゃ? と問いたい。自社コールセンターであるならともかく、クライアントありきのアウトソーシング企業であればクローズ/解体は必至であろう。加藤恵嬢ではないが、なんだかなぁ、である。キョン氏ではないが、やれやれ、である。丸い頭の男の子とその飼い犬(!)である世界一有名なビーグル犬ではないが、good grief、ですよ。交際しているのかもあやふやであったのに突然婚約者に互いが昇格した摩訶不思議なあの方については……まぁ、い、いいか(ポーズか否かはあなたの判断にお任せしよう)。
 最期に、懇意にしている和尚の台詞を書き留めたい。曰く、「季節の変わり目は人が多く死ぬ時期。別れを嘆くな、天命だ」と。生者であろうと死者であろうと、これは変わりがないですね。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。