第3252日目 〈みやびあきの『珈琲をしづかに』第5巻を読みました。〉 [日々の思い・独り言]

 このたびここに、極めて上質の恋愛物語が完結した。蝋燭の炎のようにその灯火は小さいけれど、ページを繰るたび、コマを進めるごとに心があたたかくなってくる、いつまでも大切に仕舞っておきたいとっておきの物語。
 みやびあきの『珈琲をしづかに』第5巻が12月23日に発売された。第1巻の刊行から2年2カ月にわたって刊行されてきたこの物語も、もうお終い。
 紫都香と貴樹がゆっくりと、相手を慮りながら紡いできた気持ち。その濃やかさ、その繊細さはいったい何度、胸の奥の奥まで響いてきたことであろう。物語は、もうこれ以上はあり得ない大団円を迎えた。その結ばれ方に、思わず涙があふれてきたことである。
 これで完結、それで良い。ここから先は紫都香と貴樹が一緒に、寄り添って歩いてゆく時間だ。われらがそれを読むことはできない。が、紙書籍で買った人にだけ、作者からの素敵な贈り物が潜んでいることを、そっとお伝えしておこう。
 誕生日を迎えた紫都香が貴樹へ伝える言葉が、いちばん好きだ。曰く、「ありがとうございます、今こうして一緒にいてくれて」(P132)と。その台詞を届けられる相手が、わたくしにもいるだからだろう。
 この作品を生み出してわれらへ届けてくれた作者様に、感謝。
 編集・営業・経理の担当者に、感謝。
 印刷と流通の全工程に関わってくださったすべての方々へ、感謝。
 書店の担当者の方々に、感謝。
 この物語をリアルタイムで読み続け、生きて完結巻を読むことができたことに、感謝。◆

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