第3369日目 〈YouTubeで懐かしい洋楽を視聴しよう!(その6)〜GO-GO'S"Vacation"〉 [日々の思い・独り言]

 GO-GO'Sからどの曲にするかと悩んだが、最初に聴いたアルバムの1曲目を飾るこの曲を選んだ。既に第3354日目ベリンダ・カーライルの回で簡単に触れたけれど、これを聴いたのは1990年代前半、都内のと或る区役所の視聴覚室から殆ど傷のないLPを借りて貸出期間1週間、たっぷり聴き耽った。
 改めて書いておくと、1982年発表の2ndアルバム《Vacation》の1曲目を飾ったのが、今回の〈Vacation〉だ。これのオフィシャルMVがあるとは知らなかった。洋楽番組で観ていたかもしれないが、残念ながら当然の如く記憶にない。当時アメリカ在住だった親戚からの情報があと数年早ければ、ベリンダ・カーライルに気附いたと同じタイミングでGO-GO’Sにも関心を向けられたのかもしれないが……。
 動いているGO-GO’S時代のベリンダを観たとき──スッゲーぽっちゃりさんだったことに吃驚!! まぁGO-GO’S結成当時の彼女は数えで20歳ですからね。その年代の女の子ってこんな風だよね。他のメンバーは年齢を重ねてもあまり変わらぬ方もあれば、まるで別人のように変貌を遂げた方もおられる、人生、いろいろです。
 空港の待合にタクシーで乗り付けるベリンダから始まるMVは、ヴァケーションに出発するメンバーの搭乗前の退屈な表情を巧みに捉えていつしか楽器をつま弾くシーンに変わり、一転、メンバー5人が水上スキーを満喫する映像に切り替わる。この場面が観ていてなかなかに気持ち良いのだ。カラクリがわかっていたとしても、彼女たちの表情が本当に楽しそうで、観ているこちらまでそれに感化されるのだ。
 真面目な話をすればこのシーン、嵌めこみ画像が専らとなり、ロングショットで水上スキーを楽しむ彼女たちの姿は別撮り、もしくはスタントであろう。幾ら初心者とて早ければ1日で板に立てると雖も、MVで観られるアクロバティックな演技は難しいでしょう。やはりスタントと思われるが正確なところは知らないし、知ったからとてこのMVが好きだ、という気持ちが変わることはないのだ。
 〈Vacation〉のMVを観たとき、理由もわからず涙腺がゆるんでしまった。しばらく音楽というものから離れて努めて遠ざけていた頃だったせいかな、YouTubeでこれをたまたま見附けて音量絞って視聴したのは。もうね、ぶわっ、とあの時代の感情が甦ってきましたよ。バブルは崩壊したとはいえまだまだこの国の経済事情は、庶民層が未来を夢見ることを許してくれていた。確かにバブルは弾けて就職も年度末に内定取消を喰らったりしたけれど──肉体労働にまで手を染めてどうにか今日や明日を生きていたけれど、まだまだどうにかなる、という気分が漂っていた。
 GO-GO’Sを初めて聴いて、計3枚出されたアルバムを中古レコード店や秋葉原の輸入盤を扱うレコード店を回って買い集めて繰り返し聴き耽ったのは、そうした時代だったのだ。あれから……30年近い歳月が経巡ったのか。いろいろな夢や希望を置きっぱなしにしてきた気がする。平生忘れていることまでも途端に、鮮明に思い出せたGO-GO’Sの〈Vacation〉。いや、罪なオフィシャルMVでありますよ。
 勿論、これに懲りる気なんて毛頭なく、そのうち3rdアルバム《Talk Show》のこれも冒頭を飾る〈Head Over Heels〉あたりをYouTubeで視聴して懐かしい気持ちを文字に移し替えるのは、咨、もはや決定事項なのである。◆

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