第3396日目 〈ただいま捜索中!〉 [日々の思い・独り言]

 出掛けたいのに出掛けられない。家内のことゆえにではなく、捜し物が出て来ないためだ。昨日は造り付けの書架、今日はその反対にある本棚、どれだけ捜し回っても見附からぬ。
 では明日は──床からにょっきり生えていくつもの山を作っているダンボール山脈の攻略を試みよう。ここにもなければ……処分した、ということになるのだが、そんなことはあるまい。
 学生時代に先生から頂戴してその日からずっと机上にあり、その後も何度か見掛けた覚えのある本だからだ。要するに、思い出も思い入れも、序にいえば実績も、たっぷりある1冊なのである。
 代替品は幾らでもこの世に出回っているし、正直なところ、贅沢さえいわなければ辞書の付録でもなんとか間に合うのだが、手に馴染み目に馴染み使い勝手の良い捜索中の1冊があるに越したことはない。
 この1冊があれば、鬼に金棒なんだけれどなぁ。──とは、いま現物が手許にないことと、かつて翻訳の労苦を共に分かちあった相棒へ寄せる過分のオードであるのかも。でもホント、この1冊で大概の躓きは解消されたのですよ。
 古典文法の教科書を捜しているのです。かつて国語学の先生に文法の件で相談して、次の週の講義のあと講師控え室にお尋ねした折に手渡された1冊でした。出版社は忘れてしまいました。現在ではもっと優れたものがあるのだろうけれど、いまのわたくしの能力ではその1冊で必要じゅうぶんなのである。
 さて、明日は前述の通り、ダンボール山脈を崩して捜索を再開しよう。これで見附からなかったら? うーん、未練を残しこそすれ諦めた方がいいのかもしれない、と覚悟はしている。◆

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