第3397日目 〈物持ちがいい男の話。〉 [日々の思い・独り言]

 また片附けの話。
 かねて予告の通り、床からにょっきり生えて増殖する一方のダンボール山脈を引っ繰り返した。例によって例の如く、件の文法書はなかった。
 代わりにずいぶんとむかしに書いた履歴書の書き損じや面接を受けた企業のパンフレット、求人雑誌の広告ページなど、目も背けたくなる負の遺産があとからあとから出てきて、困った。
 娘がぐっすりお昼寝中だったこともあり、奥方様がすこしの時間、手伝ってくれた(しかしうちの子、よく寝るな……)。それを待っていたかのように上から3つ目のダンボール箱から出てきたものがある。有楽町の某催事場で行われていたイヴェント各種のスタッフ資料である。
 資料というても公演名の細目、公演情報、タイムテーブル、当日スタッフの配置など記載されたA4片面のプリントに過ぎぬが、スタッフ参加した日の資料はぜんぶ残っていた(序に申せば、2008年GWのLFJAJホールCで行われた全公演のパンフレットも)。基本的にはその日の催事が終われば各自で破棄されるのだが、わたくしの場合どうも棄てるに棄てられなかったのだね。
 なぜ? 奥方様と同じ質問だ。
 答えなんて決まっている、そこに自分と奥方様の名前があるからだ。
 当時はまだまだ絶讃片想い中でしたからね。これを棄てたら完全に縁が切れてしまう気がするな、と一途に思い詰めておったのだな。えへ。
 もっとも、単に棄てそびれて帰宅してしまった、そのままあとで棄てるつもりが忘れていつしか堆積した、というのが事実の半分であるけれど、それはあんまり気にせずにおこう。
 「物持ちがいいよね」とは奥方様の言。そう、だからいま、こんな風に1冊の薄っぺらい文法書を捜して溜め息吐いている。ある筈なのに、ある筈なんだ、と口のなかで呟きながら。◆

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