第3472日目 〈奥方様への気持ち。〉 [日々の思い・独り言]

 不思議とわれら夫婦は「3」という数字に縁がある。
 初めて出逢ったのは09月03日。今年でちょうど22年になる。独身時代は3度プロポーズし、3度目で諾の返事をもらった。
 最後のプロポーズから入籍までは、わずか3週間。昨21年06月03日に入籍し、翌22年つまり今年04月03日午前3時台に娘が誕生した。他にも極めてプライヴェートな部分で「3」という所縁ある数字が、われらの前には度々現れるが、割愛する。
 娘を抱く、母となった奥方様を見て思う。22年前はブレザーを着て、義父の背中の向こうからこちらを観察するような眼差しを向けていた女の子が、いつしか商社OLとなり海外で何年も仕事してキャリアを積み、なのにためらいなく将来を捨てて専業主婦に収まっている。
 彼女が正式に退職して3ヶ月。毎日毎時間を一緒に過ごしている。娘をあやす妻を見て、キッチンに立って食事の支度をしている妻を見て、リヴィングで母とくつろぐ妻を見て、苦しくなることがある。
 ──数日前まで、新聞の経済欄を騒がせていたプロジェクトの一員として、当該国の省庁や企業の担当者と渡り合ってきた。そんな彼女が〈実現が約束されていたのに自ら放棄した未来〉を思うと……。
 本人はじゅうぶんに納得して会社を辞めて、ここにいることを選んでくれた。感謝である。
 が、わたくしが奥方様の、今後築いていただろうキャリアを、未来の可能性を、潰してしまったのではないか。そんな疑念に襲われるのだ。
 「自己陶酔」と揶揄する声もあろうが、構わない。いまの自分にできることは、魔が差したように心の隙間へ入りこむ疑念を封じこんで、あの子にわずかな不安も与えぬよう力を尽くすこと。幸いにも、外野が無責任に喚き立てる揶揄の声へ傾ける耳を、わたくしは持っていない。
 退職したリケジョが、キャリアをなに1つ無駄にすることなくそれまでと同等の仕事へ戻れる社会が、真の意味で実現かつ継続するとうれしいなあ。◆

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