第3488日目 〈汝、自身を知れ。〉 [日々の思い・独り言]

 いま抱えている病気について知りたいとの思いから、家庭用医学書のみならず近頃は、医学生や医療現場の人たちを対象にした医学書にまで手を出している。元がみくら家、医者であるせいか、こうした医学書をペラペラ目繰ることにまったく抵抗はない(むろん、書かれている内容が理解できるかは天と地の違いである)。
 あれこれ読み散らして納得したのは、自分の病気が日本では珍しい種類のそれであり、治療には長く時間を要すということ。
 種々の検査結果を踏まえて、主治医から正式に病名が告げられた。
 予兆ありとは別の病院にて既に知らされていたが、こうしてMRや血液検査などを経て改めて正式に、「あなたの病気は○○という名称です。これからはこのような治療をしてゆこうと考えています。薬は処方しますが最初から本来の錠数の服用は避けて、少しずつ増やしていって体がそれに耐えられるか様子を見ましょう」と告げられときは、未来に多少の不安こそあれむしろ安堵の方が優ったことを覚えている。
 抗がん剤の必要がない、とわかっただけで慶賀だ。日本人の発症率一桁てふ病気だが、そのなかで抗がん剤不要の人が占める割合がどのくらいかは、どの文献をひもといても詳しく載っていなかった。
 が、斯様に標準治療の可能な群に属することで幸いと感じるのは、抗がん剤の不要なる点のみではない。抗がん剤治療の対象になっていたら、検査のために通院する日は果たして月に何度あるか。毎回の血液検査の結果によっては検査入院の必要も生じる由。──これがどれだけ生活や仕事に影を落とすことになるか、夢想だにゾッとする。
 薬代については──役所に限度額申請をして、書くべき書類を正しく記入して期日までに提出しさえすれば、どれだけ多量に処方されても一定額内で収まることを考えれば、標準治療の範囲にあろうとあるまいと、そのあたりはどちらへ転ぼうと支払う額は同じになるのかな、なんて不謹慎なことを述べてみたり。
 今回は数ヶ月前に告知されて治療続行中の病気について、取り敢えず初心者でもどうにか理解できそうな本を片っ端から購うて調べてみた。自分の病気について、(医学書を平素から手掛けている出版社から出された)専門書や入門書、家庭向け医学書であれ、信頼できるWebの情報(医療従事者、厚生労働省他所轄官庁、行政、保健所などのブログやHP)であれ、自分が抱える病気について正しい知識を得て、どんな治療方法があるのか、隣接する病気にどのようなものがあるのか、など自分のなかへ蓄えておくに越したことはない。
 医師の説明がまるでチンプンカンプンでは、困ってしまう。少しでもわかるようにしておくための知識である。──本やWebで得た知識を絶対的なものとして担当医と渡り合おうなんて愚者は、流石に居らんでしょう。
 「汝、自身を知れ」とは古代ギリシアの格言で、本来の意味はここで用うのとはやや異なると雖も、自分自身について正しく知ることを常とせよ、という程度の意味で使っております。◆

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