第3502日目 〈安倍元首相批判の声を集めた言論誌はあるのか。〉 [日々の思い・独り言]

 近頃まったくというて良い程小説を読まなくなった、という意味のことを書いた記憶がある。今年になって読んだ小説といえば、横田順彌『平成古書奇談』と野呂邦暢『愛についてのデッサン』くらいしか思い出せない。いずれもちくま文庫。藤沢周平はお休みしたままだ。
 おかしいなぁ、小説が好きで買い漁り読み耽っていた自分は、どこへ行っちまったんだ? 復刊が続く横溝正史、新刊(の文庫)が出た綾辻行人、ときどき熱病に罹ったように読み続ける松本清張、ミステリ小説や怪奇小説の古典、どれにもまるで手が伸びない。スティーヴン・キングと南木佳士と村上春樹の新作(小説に限らない)を見附けたら、即座にレジ行きなのだが。
 ここ数ヶ月の間、買い忘れまい、と購うよう心懸けているのは、安倍元首相を追悼したムックや言論誌、或いは安倍元首相の周辺にいた人たちの証言(回想)や政権の舞台裏について書かれた本、そうして雑誌や新聞(タブロイド紙)に発表されたきりで纏められることなかった安倍元首相自身の文章である。
 買って、目を通していると、不思議なことに気附かされる。つまり、安倍さんを讃える人たちの原稿を集めて、1冊丸々追悼にページを使った『hanada』や『Will』、追悼特集を組んだ雑誌(例えば『文藝春秋』)はあっても、所謂〈アベガー〉や敵対論者・政治家たちの原稿を集めてほぼ1冊の雑誌が出たなんてことは、聞いたことがないのだ。実際、大型書店数軒の売り場を巡回してみても該当するものは見当たらなかった。そうした原稿を載せる雑誌はあっても、その声は決して大きなうねりに発展していない。
 バランスを取るためにも、賛否両陣営の声を聞きたい。感情よりも理が優った、死者を鞭打つ無礼かつ下品な物言いと感情論に塗り固められていない、そんな声を、わたくしは聞きたい。
 斯様な思いから後者の雑誌を探しているわけですが、なかなか見附けられない。困ったものです。安倍元首相批判の声は、散発的に新聞雑誌に載る程度ではどれだけ正論を吐いても振り向かれはしないですよ。安倍元首相が大好きだからこそ、こうした声をわたくしは聞きたいのだがなぁ……。
 むろん、寡聞にしてわたくしが知らないだけで、丹念に、細かく探せば該当する1冊はあるのかもしれない。もしそのような1冊の存在を御存知の方が居られたら、しばらくの間(本稿の)コメント欄を解放するので是非、ご教示ください。◆

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