第3584日目 〈時間をかけてじっくり取り組みたい本、蘇峰の次はカレルを。〉 [日々の思い・独り言]

 時間をかけてじっくり取り組むに足る本、というのはあると思う。読み急ぐことなく腰を据えて一行一節、一言一句を読み落とすことなく、不明点があれば労を惜しまず文献を繙いて、自分を高めつつ怯むことなく対峙する本──そんな本は必ず、ある。読書人であれば、そうした本を必ず持っている。
 いまは御多分に洩れず蘇峰『近世日本国民史』だが、それ以前には『古事記』があり、『論語』があり、『聖書』があった。メモやノートを取る或いは論文を書くのと密接に関わった本だ。後者はともかく前者に則していえば、メモやノートが必要になる程、挑み甲斐のある/読み甲斐のある本なのだった。
 然り、時間をかけてじっくり取り組むに足る本はある。いまは『近世日本国民史』だけれど、それが終わったら次は是非、積年の宿願を果たすという意味もこめて、今度こそカレル『人間 この未知なるもの』に挑戦したい。近年刊行された(訳者の教え子によって改竄・去勢された)改訂新版ではなく、そのオリジナルとなった三笠書房版(渡部昇一・訳 知的生き方文庫 1992/05)で。どれだけ自分の養分になるか分からんけれど、まァ、内藤陳流にいえば「読まずに死ねるかっ!」ってところですね。要するに、読み残したまま逝くのは嫌だな、と……。
 近頃いろいろ大風呂敷を広げているが、読書については生きている間に1冊でも多く養分となる本を喰らい、読みたいと願っていながら未読で残っている本を1冊でも減らしておきたい。時間をかけてじっくり取り組む本、まずは蘇峰、次はカレル、その次は──。◆

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