第0058日目 〈レビ記第18章:いとうべき性関係〉 [レビ記]

 レビ記第18章では、唾棄すべき性関係について述べられます。

 カナンの地に到着しても、かつてのエジプトでの風習や入植地カナンの風習に従ってはなりません。
 「私はあなたたちの神、主である。私の掟と法を守りなさい。」(レビ18:4-5)

 郷に入っては郷に従え、ということわざが我が国にはあります。同様のことわざは世界各地にあると仄聞します。
 主はここで、それを完全否定します。最初に読んだときは、<“俺が正義であり、法律だ”ということ?>と疑問でなりませんでした。日本人的発想でいえば、<図々しい>というか<何様?>とも思えたのです。
 先を読みつつしばらく考えていました。━━で、<そうか>、と考え至ったのです。

 本来ならばよそへ行っても周囲と協調しながら、自分たちの生活習慣や風習は大切に守りなさい、というところなのでしょう。後にイスラエルの民がカナンの地へ侵入することを考えると、<主の民であるが故に侵略と先住民の風習の駆逐は正義である>と受け取れます(どこぞの“超大国”のように)。
 しかし、ずっと読み進んでゆき、ちょっとずつわかってきました。
 カナンの地では、一夫多妻制が専らで、いわゆる乱交も多々行われていた由。
 カナンの風習に染まってはならない、とは、すなわち、それらから自らの民を遠ざけんがための主の配慮。

 そして、以上の配慮(もしくは忠告)を媒介として、いよいよ〈いとうべき性関係〉が述べられるのでした。

 主のいう〈いとうべき性関係〉。
 それを大雑把にまとめれば、……
 ・近親姦(血のつながりのあるなしにかかわらず)
 ・同性愛
 ・獣姦
となります。これら3点(近親姦、同性愛、獣姦)を禁じて更に、一夫一婦制を守りなさい、と主はいいます。これは今日においても変わることなきことであります。

 続けて、あたかも総説のように、主はいいます。
 カナンは汚れた土地である。というのも、カナン人は、タブーとする上記3点に耽っている民だからだ、と。
 主(神)はそんな悪しき風習のある場所から、堕落させないように、(自らのものである)イスラエルの民を切り離したのである、とも。

 となると、イスラエルの民にカナンの地を目指すよう導くのは、彼の地からカナン人を駆逐するのが目的なのでしょうか……?

 おまけに、総説にあたる箇所は、すでに民が定住していることを前提とした挿話であります。このあたりは、以前にも申し上げたことですが、記述が混乱しております。従って他の箇所以上に、注意深く読む必要がありそうです。


 帰宅しては、ストラヴィンスキーとシェーンベルク漬けの日々。『CSI:マイアミ』と『ブラザーズ&シスターズ』が2回分ずつ溜まっているなぁ……。

 なお、明日は安息日とさせていただきます。◆

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