第0229日目 〈士師記第8章:〈ギデオン〉3/3〉 [士師記]

 士師記第8章です。
 士師ギデオンのお話、第3回目(最終回)です。

 士8:1-35〈ギデオン〉3/3
 戦いが終わって、エフライムの人々がギデオンへ詰め寄った。なぜ我々を対ミディアン戦に召集しなかったのか、と。ギデオンは答えた、貴方たちが果たした役割に較べたら私のしたことなど顧みるに値しない、と。エフライムの人々の憤りは和らいだ。
 ギデオンは敗走中の敵兵、特にミディアン王ゼバとツァルムナを追って、300の兵と共にヨルダン川を渡った。東岸の町スコトとペヌエルの人々に食糧の補給を頼んだが、断られた。ギデオンはスコトとペヌエルの人々に後悔させた。
 さて、ミディアン王と敵兵はカルコムの地で野営をしていた。ギデオンらはそれを奇襲して相手を大混乱に陥れ、ミディアン王ゼバとツァルムナを捕らえた。そして、自らの手で処刑した(士8:15-21)。
 ギデオンはミディアン人の装飾品すべてを用いてエフォド(神像)を作った。民が、ギデオンにイスラエルを統治してほしい、と願ったが、それを断ったためでもある。
 イスラエルはその後40年、即ちギデオン存命中は平穏であった。
 やがて士師ギデオンは死に、父ヨアシュの墓に葬られた。その前、シケム出身の側女が息子を産んだ。それはアビメレクと名附けられた。

 ギデオンの死後、イスラエルはたちまち乱れた。バアルの神(バアル・ベリト)を崇めた。
 「すべてのイスラエルが、そこで彼に従って姦淫にふけることになり、それはギデオンとその一族にとって罠となった。」(士8:27)
 「イスラエルの人々は、周囲のあらゆる敵の手から救い出してくださった神、主を心に留めなくなった。彼らはまた、イスラエルのために尽くしてくれたエルバアル、すなわちギデオンのすべての功績にふさわしい誠意を、その一族に示すこともしなかった。」(士8:34-35)


 前章のノートで「一筋縄ではいかぬ、旧約聖書らしい展開」が第8章ではある、と書きましたが、その根拠がおわかりいただけたでしょうか。━━なんといっても、士師自らが契約に背く行為をしてしまったのですから! それがなんともさりげなく指摘されているあたり、意地悪さと(不似合いな)謙虚さを感じさせられます。
 エフォドは祭司の祭服でもありますが、ここでは註釈に従って「神像」としました。が、祭服であってもなんら咎はありません。いずれにせよ、士師は禁忌を破ったのです。
 それにしても、イスラエルって性懲りもない民ですね。



 北朝鮮核実験! 旧約時代のイスラエル同様性懲りもない国である。もはや6カ国協議(実体は4カ国協議か)も制裁も無意味だ。そろそろ後悔させてやった方がいいんじゃない?
 それはさておき。新しい小説を書き始めましたが……どこへ流離ってゆくつもりなのか、この短編は。制御できないほど、物語に内在する〈力〉を感じてならぬのです……。◆

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