第0245日目 〈士師記第21章:〈ベニヤミンの犯行〉3/3〉 [士師記]

 士師記第21章、最終章です。

 士21:1-25〈ベニヤミンの犯行〉3/3
 今日、即ち内紛の終わった日、イスラエルからベニヤミンが切り離された。イスラエルはミツパの地にて、ベニヤミン族へ娘を嫁がせて彼らと婚姻を結んだりしない、と誓った。
 そして、主に嘆いた。「イスラエルの神、主よ。なぜイスラエルにこのようなことが行われ、今日イスラエルから一つの部族が欠けることになったのですか。」(士21:3)
 翌る日、民は祭壇を築き、焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげた。
 共同体はベニヤミンへ和解の使者を送り、先の内紛に参加しなかったという理由で討ったギレアドのヤデシュの町に住んでいた処女400人を、ベニヤミンの種を残すために妻として渡す、と呼びかけた。ベニヤミンは首肯したものの、まだ足りなかったので、イスラエルは、シロの町に住む娘たちが踊りに出てきたら銘々連れ帰って妻にせよ、と提案した。
 「もし彼女らの父や兄がわたしたちに文句を言いに来たら、こう言おう。『我々に免じて憐れみをかけてやってほしい。我々は戦争の間それぞれ妻を迎えることができなかったし、あなたたちも彼らに娘を与えることができなかった。与えていたら、あなたたちは罪に問われたはずだ』」(士21:22)
 ベニヤミンはその通りにシロの娘たちを連れ帰り、イスラエルはそれぞれ自分たちの嗣業の土地へ、自分たちの天幕へと帰って行った。
 「そのころ、イスラエルには王がなく、それぞれ自分の目に正しいとすることを行っていた。」(士21:25)

 ベニヤミンも同胞であることに変わりはなく、彼らがこのまま子孫を設けぬまま滅びてゆくのは見るに忍びない、ということなのかもしれませんが、……都合の良い話だなぁ。
 荒れ狂った士師記の終わりにふさわしいのかどうかわかりませんが、一息に読み通してみたら、また違った視点が得られるかもしれません。いずれにせよ、この書物が見過ごせぬ物語群を内包した書物であることに、異存はないでしょう。



 アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』(白水uブックス)を、今日から読んでいます。
 なにもかもがミステリアス。なにもかもがむせ返る熱気に包まれている。
 油断しているとのっぴきならぬ場所へ連れてゆかれそうな、力のある小説です。これがタブッキの小説を語る際によくいわれる「遊技性」という奴か?◆

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