第0340日目 〈サムエル記下第22章:〈ダビデの感謝の歌〉〉 [サムエル記・下]
サムエル記下第22章です。
サム下22:1-51〈ダビデの感謝の歌〉
神、主によってすべての敵、そしてサウルの手からダビデを救ってくれた日、ダビデ王は主に感謝の歌を捧げたのである。
以下、全文。たまには詩歌を丸ごと味わうのも良いでしょう。
02:主はわたしの岩、砦、逃れ場
03:わたしの神、大岩、避けどころ
わたしの盾、救いの角、砦の塔。わたしを逃れさせ、わたしに勝利を与え
不法から救ってくださる方。
04:ほ(誉)むべき方、主をわたしは呼び求め
敵から救われる。
05:死の波がわたしを囲み
奈落の激流がわたしをおののかせ
06:陰府の縄がめぐり
死の網が仕掛けられている。
07:苦難の中から主を呼び求め
わたしの神を呼び求めると
その声は神殿に響き
叫びは御耳に届く。
08:主の怒りに地は揺れ動き
天の基(もとい)は震え、揺らぐ。
09:御怒りに煙は噴き上がり
御口の火は焼き尽くし、炭火となって燃えさかる。
10:主は天を傾けて降り
密雲を足もとに従え
11:ケルビムを駆って飛び
風の翼に乗って現れる。
12:周りに闇を置き
暗い雨雲、立ち込める霧を幕屋とされる。
13:御前の輝きの中から炭火が燃え上がる。
14:主は天から雷鳴をとどろかせ
いと高き神は御声をあげられる。
15:主の矢は飛び交い
稲妻は散乱する。
16:主の叱咤に海の底は姿を現し
主の怒りの息に世界はその基を示す。
17:主は高い天から御手を伸ばしてわたしをとらえ
大水の中から引き上げてくださる。
18:敵は力があり
わたしを憎む者は勝ち誇っているが
なお、主はわたしを救い出される
19:彼らが攻め寄せる災いの日
主はわたしの支えとなり
20:わたしを広い所に導き出し、助けとなり
喜び迎えてくださる。
21:主はわたしの正しさに報いてくださる。
わたしの手の清さに応じて返してくださる。
22:わたしは主の道を守り
わたしの神に背かない。
23:わたしは主の裁きをすべて前に置き
主の掟を遠ざけない。
24:わたしは主に対して無垢であろうとし
罪から身を守る。
25:主はわたしの正しさに応じて返してくださる。
御目の前にわたしは清い。
26:あなたの慈しみに生きる人に
あなたは慈しみを示し
無垢な人には無垢に
27:清い人には清くふるまい
心の曲がった者には策略を用いられる。
28:あなたは貧しい民を救い上げ
御目は驕る者を引き下ろされる。
29:主よ、あなたはわたしのともし火
主はわたしの闇を照らしてくださる。
30:あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし
わたしの神によって、城壁を越える。
31:神の道は完全
主の仰せは火で練り清められている。
すべて御もとに身を寄せる人に
主は盾となってくださる。
32:主のほかに神はない。
神のほかに我らの岩はない。
33:神はわたしの力ある砦
わたしの道を完全にし
34:わたしの足を鹿のように速くし
高い所に立たせ
35:手に戦いの技を教え
腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。
36:あなたは救いの盾をわたしに授け
自ら降り、わたしを強い者としてくださる。
37:わたしの足は大きく踏み出し
くるぶしはよろめくことがない。
38:敵を追い、敵を絶やし
滅ぼすまで引き返さず
39:彼らを餌食とし、打ち、再び立つことを許さない。
彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
40:あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ
刃向かう者を屈服させ
41:敵の首筋を踏ませてくださる。
わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
42:彼らは見回すが、助ける者は現れず
主に向かって叫んでも答えはない。
43:わたしは彼らを地の塵のように砕き
野の土くれのように踏みにじる。
44:あなたはわたしを民の争いから解き放ち
国々の頭としてくださる。
わたしの知らぬ民もわたしに仕え
45:わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い
敵の民は憐れみを乞う。
46:敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。
47:主は命の神。
わたしの岩をたたえよ。
わたしの救いの岩なる神をあがめよ。
48:わたしのために報復してくださる神よ
諸国の民をわたしの下においてください。
49:敵からわたしを救い
刃向かう者よりも高く上げ
不法の者から助け出してください。
50:主よ、国々の中で
わたしはあなたに感謝をささげ
御名をほめ歌う。
51:勝利を与えて王を大いなる者とし
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。
(以上)
これはサムエル記全体の頂点であり、集大成である。いわば大コーダがここで築きあげられたのであった。
殊にさんさんかがエッセンスとして抽出したいのは、サム下22:21-25,44-46,50-51。個人的な好みをいえば、サム下22:5-16かな。実に想像力を刺激されます。
再び引く、━━
「主よ、国々のなかで
わたしはあなたに感謝をささげ、
御名をほめ歌う。
勝利を与えて王を大いなる者とし、
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。」(サム下22:50-51)
薄暗い奈落の底から上を仰ぎ見ている、
指先から血を流して這いあがる。
希望を挫くいちばんの敵と戦いながら、
上を目指して這いあがる努力を諦めない。
傷だらけになったこの手のなかにいつの日か必ず、
夢と希望を摑み取ることができると信じている。
希望と愛を諦めない。◆
サム下22:1-51〈ダビデの感謝の歌〉
神、主によってすべての敵、そしてサウルの手からダビデを救ってくれた日、ダビデ王は主に感謝の歌を捧げたのである。
以下、全文。たまには詩歌を丸ごと味わうのも良いでしょう。
02:主はわたしの岩、砦、逃れ場
03:わたしの神、大岩、避けどころ
わたしの盾、救いの角、砦の塔。わたしを逃れさせ、わたしに勝利を与え
不法から救ってくださる方。
04:ほ(誉)むべき方、主をわたしは呼び求め
敵から救われる。
05:死の波がわたしを囲み
奈落の激流がわたしをおののかせ
06:陰府の縄がめぐり
死の網が仕掛けられている。
07:苦難の中から主を呼び求め
わたしの神を呼び求めると
その声は神殿に響き
叫びは御耳に届く。
08:主の怒りに地は揺れ動き
天の基(もとい)は震え、揺らぐ。
09:御怒りに煙は噴き上がり
御口の火は焼き尽くし、炭火となって燃えさかる。
10:主は天を傾けて降り
密雲を足もとに従え
11:ケルビムを駆って飛び
風の翼に乗って現れる。
12:周りに闇を置き
暗い雨雲、立ち込める霧を幕屋とされる。
13:御前の輝きの中から炭火が燃え上がる。
14:主は天から雷鳴をとどろかせ
いと高き神は御声をあげられる。
15:主の矢は飛び交い
稲妻は散乱する。
16:主の叱咤に海の底は姿を現し
主の怒りの息に世界はその基を示す。
17:主は高い天から御手を伸ばしてわたしをとらえ
大水の中から引き上げてくださる。
18:敵は力があり
わたしを憎む者は勝ち誇っているが
なお、主はわたしを救い出される
19:彼らが攻め寄せる災いの日
主はわたしの支えとなり
20:わたしを広い所に導き出し、助けとなり
喜び迎えてくださる。
21:主はわたしの正しさに報いてくださる。
わたしの手の清さに応じて返してくださる。
22:わたしは主の道を守り
わたしの神に背かない。
23:わたしは主の裁きをすべて前に置き
主の掟を遠ざけない。
24:わたしは主に対して無垢であろうとし
罪から身を守る。
25:主はわたしの正しさに応じて返してくださる。
御目の前にわたしは清い。
26:あなたの慈しみに生きる人に
あなたは慈しみを示し
無垢な人には無垢に
27:清い人には清くふるまい
心の曲がった者には策略を用いられる。
28:あなたは貧しい民を救い上げ
御目は驕る者を引き下ろされる。
29:主よ、あなたはわたしのともし火
主はわたしの闇を照らしてくださる。
30:あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし
わたしの神によって、城壁を越える。
31:神の道は完全
主の仰せは火で練り清められている。
すべて御もとに身を寄せる人に
主は盾となってくださる。
32:主のほかに神はない。
神のほかに我らの岩はない。
33:神はわたしの力ある砦
わたしの道を完全にし
34:わたしの足を鹿のように速くし
高い所に立たせ
35:手に戦いの技を教え
腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。
36:あなたは救いの盾をわたしに授け
自ら降り、わたしを強い者としてくださる。
37:わたしの足は大きく踏み出し
くるぶしはよろめくことがない。
38:敵を追い、敵を絶やし
滅ぼすまで引き返さず
39:彼らを餌食とし、打ち、再び立つことを許さない。
彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
40:あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ
刃向かう者を屈服させ
41:敵の首筋を踏ませてくださる。
わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
42:彼らは見回すが、助ける者は現れず
主に向かって叫んでも答えはない。
43:わたしは彼らを地の塵のように砕き
野の土くれのように踏みにじる。
44:あなたはわたしを民の争いから解き放ち
国々の頭としてくださる。
わたしの知らぬ民もわたしに仕え
45:わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い
敵の民は憐れみを乞う。
46:敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。
47:主は命の神。
わたしの岩をたたえよ。
わたしの救いの岩なる神をあがめよ。
48:わたしのために報復してくださる神よ
諸国の民をわたしの下においてください。
49:敵からわたしを救い
刃向かう者よりも高く上げ
不法の者から助け出してください。
50:主よ、国々の中で
わたしはあなたに感謝をささげ
御名をほめ歌う。
51:勝利を与えて王を大いなる者とし
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。
(以上)
これはサムエル記全体の頂点であり、集大成である。いわば大コーダがここで築きあげられたのであった。
殊にさんさんかがエッセンスとして抽出したいのは、サム下22:21-25,44-46,50-51。個人的な好みをいえば、サム下22:5-16かな。実に想像力を刺激されます。
再び引く、━━
「主よ、国々のなかで
わたしはあなたに感謝をささげ、
御名をほめ歌う。
勝利を与えて王を大いなる者とし、
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。」(サム下22:50-51)
薄暗い奈落の底から上を仰ぎ見ている、
指先から血を流して這いあがる。
希望を挫くいちばんの敵と戦いながら、
上を目指して這いあがる努力を諦めない。
傷だらけになったこの手のなかにいつの日か必ず、
夢と希望を摑み取ることができると信じている。
希望と愛を諦めない。◆
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