第0578日目 〈ネヘミヤ記第13章:〈ネヘミヤの改革〉〉 [ネヘミヤ記]

 ネヘミヤ記第13章です。

 ネヘ13:1-31〈ネヘミヤの改革〉
 城壁が奉献されたその日、律法の書がエズラによって朗読された。すると、そこに、出エジプトを果たしたイスラエルの民に援助の手を差し伸べなかった科でアンモン人とモアブ人は神の会衆の一員となれない(申23:4-7「あなたは生涯いつまでも彼らの繁栄や幸福を求めてはならない」申23:7)、とあるのに気附いた。
 「人々はこの教えを聞くと、混血の者を皆、イスラエルから切り離した。」(ネヘ13:3)
 ※以上、ネヘ13:1-3は本来ネヘ12に属す記述であり、ネヘ12:47に接続する。

 アルタクセルクセス王の治世第32年、わたしは一時的にエルサレムを離れていた。その間、アンモン人トビヤと縁あった祭司エルヤシブが、トビヤのために大きな祭司室(ネヘ12:44の収納庫である。神殿の庭にあった)を流用し、悪事を働いていた。
 わたしは憤り、その祭司室にあったトビヤ家の祭具をすべて投げ捨て、そこを清め、イスラエルのための祭具と穀物の献げ物と香料を納めた。また、収納庫(と神殿)を見捨てて自分たちの耕地へ逃げ帰っていた役人を責め、レビ人と詠唱者を再び任務に就かせた。
 「わたしは祭司シェレムヤ、書記官ツァドク、レビ人ペダヤに貯蔵室の管理を命じ、マタンヤの孫でザクルの子、ハナンを彼らの助手とした。彼らは忠実な人物とされており、仲間に分配する任務が彼らにゆだねられた。」(ネヘ13:13)

 その頃、エルサレムの城壁の中では安息日にもかかわらず仕事し、商売する者があった。ティルス人もそこには居り、エルサレムの住人相手に商いをしていた。
 わたしは憤り、ユダの貴族を責めた。なぜ安息日を汚し再びイスラエルへ神の怒りを降そうとするのか、と。
 そこでわたしは、安息日の前夜になると城壁の扉を閉じ、安息日が終わるまでその扉を開かせなかった。その日に外から商売のための荷物が運びこまれないようにである。門が閉ざされているので商売人は、城壁の外で夜明かしせざるを得なかった。それは一度ならず何週も続いたが、わたしが戒めるともう来なくなったのである。
 「わたしはレビ人に、身を清めて門を守り、安息日を聖とするように命じた。」(ネヘ13:27)

 その頃、ユダの男子が異民族の娘と結婚しているのを、わたしは知った。夫婦の子供は異民族の言葉を喋り、ユダの言葉を知らなかった。「わたしは彼らを責め、呪い、幾人かを打ち、その毛を引き抜き、神にかけて誓わせた。」(ネヘ13:25)
 わたしは雑婚の罪を犯した彼らを責めた。ユダの純血を汚してはならない、かのソロモン王さえ同じ罪を犯して国を分断させたではないか、と。この大きな罪悪を、わたしも聞かされなくてはならないのか、と。
 わたしは彼らを悔い改めさせた。大祭司エルヤシブの孫でヤダの子の一人が、ホロニ人サンバラトの娘婿となっていたので、わたしは彼を遠くに追放した。

 「わたしの神よ、祭司職を汚し、祭司とレビ人の契約を汚した者のことを覚えていてください。わたしはすべての異民族から彼らを清め、祭司とレビ人に守るべき務めを定め、それぞれの任務に就かせました。また定められた時に薪を奉納し、初物をささげるように定めました。
 わたしの神よ、わたしを御心に留め、お恵みください。」(ネヘ13:31)

 ネヘミヤが果たした数々の宗教改革の成果を報告するのですが、最後の雑婚について、一言だけ。
 ここでのネヘミヤの言葉に我らは、20世紀の某独裁者を否応なく連想します。が、さすがに聖書の世界でもその後のユダヤ教社会でも、斯様まで過激な純血主義は描かれません。もっとも、ユダヤ人によるジェノサイド(大量虐殺)は、次のエステル記に出て参りますけれど……。
 本章を以て約2週間にわたったネヘミヤ記は終わります。



 この前、寝しなにサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』(白水社)を読んでいました。追悼とかでなく、単に読みたくなっただけ。
 意識して読み比べたわけではないから、あまり真剣に受けとめられても困るのだが、『ライ麦』に関していえば、野崎孝の翻訳(日本語文章)の方が、作品の世界と相性が良いように思う。気のせいか。
 でもこの感想というか意見(?)、『ライ麦』━━というかサリンジャー初体験が野崎訳であったのが、いちばんの決定的な勝因かもしれない。一方で、野崎訳にあった<危うさ>が村上春樹訳(『キャッチャー・イン・ザ・ライ』)では稀薄に感じられたせいも、ある。しかし、こればっかりはケース・バイ・ケースですから。
 正直なところを告白する。2つの翻訳が既にある現在、初めて『ライ麦』を読む人がいるのを羨ましく思うのであります。まさかねぇ、これの競合訳が登場するなんて思わなかったからなあ。それにしてもサリンジャーの未刊行作品って出て来ないんですかね?◆

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