第0585日目 〈エステル記第6章:〈モルデカイ、王から栄誉を受ける〉〉 [エステル記]

 エステル記第6章です。

 エス6:1-14〈モルデカイ、王から栄誉を受ける〉
 初日の酒宴の夜、寝附けぬ王は持ってこさせた宮廷日誌のなかに、モルデカイの記録を見出した。侍従たちへ訊ねたところ、その一件でモルデカイはなんの栄誉も賞讃も得ていない、と知った。
 偶々その場━━王が侍従たちへ訪ねている場面━━にハマンが居合わせた。クセルクセス王はハマンを呼び、「王が栄誉を与えることを望む者には、何をすればよいのだろうか」(エス6:6)と問うた。“栄誉”、それを受けるのは自分以外にあるまい。そう信じて疑わないハマンは、滔々と自らの希望することを並べあげた。王と同じ召し物を纏わせ、都の広場で人々に、「『王が栄誉を与えることを望む者には、このようなことがなされる』と、触れさせられてはいかがでしょうか」(エス6:9)、と。
 王は首肯して、ではいまいったことをユダヤ人モルデカイにせよ、とハマンに命じた。内心忸怩たるものを感じながらも、ハマンは王の指図に従い、モルデカイに栄誉を与える道化を演じた。
 実はハマン、前章で見たモルデカイの絞首刑を進言するため、王宮にいたのだった。そうして例の場面に居合わせてしまったのである。
 ハマンは悲嘆に暮れて帰宅し、妻や親しい友どちに今日のことを打ち明けた。妻たちがハマンにいった、━━
 「モルデカイはユダヤ人の血筋の者で、その前で落ち目になりだしたら、あなたにはもう勝ち目はなく、あなたはその前でただ落ちぶれるだけです。」(エス6:13)
 ━━そこへ王の宦官たちがやってきた。彼らは、エステル主催の酒宴に来るようハマンを急き立てた。

 ハマンの妻たちの台詞は容赦がありません。彼らにとって没落(ユダヤ人への屈服)は免れる者でなく決定事項となったのかもしれません、それとも、ハマンに一踏ん張りを促すものであったのか。いずれとも取れましょう。
 その直後の酒宴への招待は、ハマンにとって一縷の希望であるのか、それとも、断頭台の刃が落ちる音であったのか(むろん、この時代に断頭台があったのか知りませんが)。
 ……いずれであっても、ハマンにはまだ果たさねばならぬ仕事があった。なにしろ、本懐はまだ遂げられていないのです。



 ぬるま湯に浸かっているようだ。仕事のペースに体が作り替えられているせいか、なにも予定がなく家にいる休日は、とにもかくにも体が重い。ちょっと横になって本を読んでいると、いつの間にか30分程度と雖も眠っている。どうにも体が重い。心も重い。なるほど、これが、重力に魂を囚われた人間の業というものか。◆

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