第0772日目 〈詩編第079篇:〈神よ、異国の民があなたの嗣業を襲い〉〉 [詩編]

 詩編第79篇です。

 詩79:1-13〈神よ、異国の民があなたの嗣業を襲い〉
 題詞は「賛歌。アサフの詩。」

 詩74に連続する詩、慟哭の詩である。
 敵の攻撃によりエルサレムは瓦礫の山と化した。これは主がわれらを見放し、怒ったからであろうか━━昔われらが犯した罪ゆえに? が、神よ、それに御心を留めてくれるな。憐れみをわれらに向け、助けてください。そうして、敵に報復してください。われらは代々にあなたに感謝し、栄誉を語り伝えますから。
 「あなたの僕らの注ぎ出された血に対する報復を/異国の民の中で、わたしたちが/目の前に見ることができますように。/捕われ人の嘆きが御前に届きますように。/御腕の力にふさわしく/死に定められている人々を/生き長らえさせてください。」(詩79:10-11)
 ここで語られる敵とは、バビロニアと考えるのが無難でないか、と思う。おそらくここでエルサレムにユダの人の姿はなく、再生の力も奪われていたのではないか。灰色の都。"come on up for the rising"という言葉も、灰色の都の空虚な空の下(under the empty sky)では殊更むなしく響く。
 わたくしはキリスト者ではないから、そちら方面から「詩編」のみならず聖書それ自体へアプローチするのは元より出来ない相談だけれども、理解を深めるためにキリスト者の書いた本を読むことは度々ある。今回は特に、北森嘉蔵という人の書いた『詩編講話・下』(教文館 2004)に強い感銘を受けた。北森氏は詩79:9 「わたしたちの救いの神よ、わたしたちを助けて/あなたの御名の栄光を輝かせてください。」を<罪の赦し>を乞う詩句と捉えた上で、「救いの神は、ただ人間のために、罪を赦して救うのではないのです。罪を赦すことにおいて、神の御代の栄光が現れるのです」(P12)と説明する。ほっ、と胸を撫で下ろしたくなる、とてもいい話であると思いませんか?



 Do you love? yes,I love.and true love,will never die. -S.King"Nona"◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。