第0776日目 〈詩編第083篇:〈神よ、沈黙しないでください。〉〉 [詩編]

 詩編第83篇です。

 詩83:1-19〈神よ、沈黙しないでください。〉
 題詞は「歌。賛歌。アサフの詩。」

 例によってイスラエルを脅かす敵の滅びることを主に願い奉る詩である。「またか」とぐったりしないでほしい。わたくしも同じ、いや、それ以上に「いい加減にしてくれよな。ただでさえ技巧も修辞もないストレートっぷりにうんざりしているんだからさ」と思っているのだから。
 ただ、読者諸兄に興味を持ってもらえそうなのは、具体的にイスラエルを脅かす敵の名や主が敵を滅ぼした地名の挙げられている点か。
 そこに登場するのは、例えばエドム人、モアブ、アンモンとアマレク、ペリシテの住人、ミディアンやエン・ドル、キション川などだ。懐かしい限りである(わがPCも彼らを覚えていたようで、一発で変換完了した)。もはや彼らの登場箇所を挙げたり、註を付けるようなことは━━今回は━━しない。そろそろ聖書にも馴れてきた頃であろうから、復習と記憶を鮮明にするためにも、ぜひ、ご自分でお探しいただきたい。そんな彼らが「心を一つにして/あなたに逆らって、同盟を結んでいます」(詩83:6)というのだ。
 なお、これの創作年代を特定する鍵は、第9節の「アッシリアもそれに加わり」なる文言か。イスラエル包囲網ともいうべき諸国同盟にアッシリアが参加したとなれば、アッシリアの勢力が広範囲に及んだティグラト・ピレセル1世か、(詩80と同様)南北両王国に触手を伸ばしたティグラト・ピレセル3世の時代であろうか、と考える。古代オリエント史に興味のある方は、このあたりを趣味的にでも研究されてみては如何であろうか?
 さて、この段落は余談である。こんな風に書いてきて改めて思うたのだが、どうもわたくしは聖書を読むにあたってはこれまでのところ、いわゆる<文学>に分類される書物よりも<歴史書>にカテゴライズされる書物の方が性に合っているようである。理由についてはわかってもいるが、ただ斯く判断を下すにはチト時期尚早であるようには倩考えておる。おそらく「詩編」については(ほぼ)休みなしでこなしてきて、おまけにノートを作成次第すぐさまwebへ公開するという、まさしく自転車操業を行う余裕のなさにも起因するのであろう。自分の性格を様々考慮して、そんな風に取り敢えずは結論している。
 ━━詩83を以て〈アサフ詩集〉は終わる。が、まだ第三巻は続く。

 「わたしの神よ、彼らを車の輪のように/風に巻かれる藁のようにしてください。/火の手が林を焼くように/炎が山々をなめるように/あなたの嵐によって彼らを追い/あなたのつむじ風によって恐れさせてください。/彼らの顔が侮りで覆われるなら/彼らは主の御名を求めるようになるでしょう。」(詩83:14-17)



 『LOST』最終話を視聴。衝撃と喪失感に囚われて、まるで言葉が思い浮かばぬ……。◆

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