第0794日目 〈詩編第096篇:〈新しい歌を主に向かって歌え。〉〉 [詩編]

 詩編第96篇です。

 詩96:1-13〈新しい歌を主に向かって歌え。〉
 題詞なし。

 支配者としての主を頌する詩。
 諸国の神はすべてむなしく、他を顧みない。が、王なる主はイスラエルのみならず諸国の民を公平に裁く。主はすべての創造主なればこそ、諸国民はわれらと共に主の御名を唱えて栄光に帰せよ。「供え物を携えて神の庭に入り/聖なる輝きに満ちる主にひれ伏せ。」(詩96:8-9)
 主はイスラエルとユダを懲らしめ、同時に嗣業の民へ危難が迫ると敵を討ち滅ぼした。ダビデに代表される為政者、或いは詩篇の作者の多くは敵の殲滅を主に願い、それは概ね果たされた。が、視点を変えれば、嗣業の民が懲らしめられたことも敵が倒されたことも、なべて主がすべての生きとし生けるものを公正に扱っている証左である。この詩はそれを━━当たり前すぎて、ゆえにときとして見過ごしがちな<視点の転換>を読者に要求する作物といえないか。

 「主は来られる、地を裁くために来られる。/主は世界を正しく裁き/真実をもって諸国の民を裁かれる。」(詩96:13)



 インフルエンザの予防接種を受けてきました。雨の降るなか、傘を差してとぼとぼと。内科の待ち時間は10分に満たなかった(ラムの『シェイクスピア物語』読了!)。問診のあと、また少し待って女医さんに注射を打たれる。今年、ワクチンはじゅうぶんに行き渡っているらしい。でも、予防接種したからもう安全、大丈夫、というわけではない。なおさら、<自己を律せよ>の精神が大切だ。用心しよう。帰途、道の向こうのリサイクル本屋にて、ワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》のCDを買いました(EMI ドミンゴ=シュテンメ他、パッパーノ=コヴェント・ガーデン国立歌劇場管弦楽団他)。
 帰宅しての夕食後、『ジュリー&ジュリア』を観ました(2009 米)が、感想は「詩編」終了後に回すとします。後日のネタは仕込んでおくに越したことはありませんから。
 残りのスペースで先程ちょっと出したラムの『シェイクスピア物語』のお話をします。最後に読んだ「オセロ」は待ち時間などを使って途切れがちに読んだためか、実は印象が散漫です。作者の評価はこれが最上の部類に入り世評も同様らしいが、途切れ途切れに読んだことも手伝ってわたくしはどうにも首肯しかねる。原作は1回しか読んでいないからねぇ、ヴェルディの同名オペラは好きで好きでたまらないのだが……。でも、これだけの紙数でこの心理劇をここまで見事にまとめられるんですね。凄いや。ラムの才能に感嘆です。原作が優れていても……というパターンはよくありますから。いつかこれを原文で読みたい。新潮文庫は一部を省くので、明日、昼休みに全訳の岩波文庫を買おうかな。◆(2010年12月14日 00時49分)

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