第0834日目 〈詩編第132篇:〈主よ、御心に留めてください。〉&ファイナル・カウント・ダウン;ドストエフスキー『白痴』〉 [詩編]

 詩編第132篇です。

 詩132:1-18〈主よ、御心に留めてください。〉
 題詞は「都に上る歌。」

 サム上4:21にて神の箱がペリシテ人に奪われた。が、次々と災いに見舞われた彼らは遂にそれを手放し、ベト・シェメシュの地で発見されてレビ人によってキルヤト・エアリム(=ヤアルの野[詩132:6]?)へ運ばれた。サム上5:9-12,6:1-7:1。
 詩132は、長くそこに保管されてきた神の箱をいよいよエルサレムへ移す、という場面で歌われた詩篇であろう。サム下6を併読せよ。おそらく、神の箱へのダビデ王の熱意は20年の間に確固たるものとなり、それを王都へ戻すこと、そうして神殿建設に向けた段取りを整えることが、彼には成さねばならぬ宿願となっていったのであろう。別のいい方をすれば、ダビデが如何に主に対して篤い気持ちを抱いていたか、の証しである。
 イスラエルの願いと誓い、それに対する主の約束が描かれ、非常に胸を打つ詩編となっている。一連の詩群の内でもクライマックスともいうべきで、何度読んでも名詞である、との感想は揺るがない。喜びにあふれた詩である。「神への完全な従順こそ、喜びをうる条件である。喜びの心は、神へ従順であることの偽りない証しで」ある(ヒルティ『眠られぬ夜のために・第一部』P13 岩波文庫)。

 「主よ、立ちあがり/あなたの憩いの地にお進みください/あなたご自身も、そして御力を示す神の箱も。/あなたに仕える祭司らは正義を衣としてまとい/あなたの慈しみに生きる人々は/喜びの叫びをあげるでしょう。」(詩132:8-9)

 「主はシオンを選び/そこに住むことを定められました。/『これは永遠にわたしの憩いの地。/シオンの食糧を豊かに祝福し/乏しい者に飽きるほどのパンを与えよう。/祭司らには、救いを衣としてまとわせる。/わたしの慈しみに生きる人は/喜びの叫びを高くあげるであろう。/ダビデのために一つの角をそこに芽生えさせる。/わたしが油を注いだ者のために一つの灯(ともしび)を備える。/彼の敵には、恥を衣としてまとわせる。/王冠はダビデの上に花開くであろう。』」(詩132:13-18)



 ドストエフスキー『白痴』がようやく最終章に至りました。ゆっくり過ぎる読書でしたが、却ってこの作品にどっぷり浸ることができたようです。なんというか、登場人物たちがまるで知り合いの誰彼に感じられて、ああ、みな相変わらずであるな、と感慨を抱くことがしばしばでした。然るべき日に読み終われるよう、いまは逸(はや)る気持ちをなんとか抑えて、件の文庫を傍らに置いています。
 これを読了後は『悪霊』の再読へ取り組む前にインターヴァルとして、『鰐』(講談社文芸文庫)所収の短編か、『永遠の夫』(新潮文庫)を読もう。「ボボーク」(『ロシア怪談集』河出文庫)は最後の楽しみに取っておきます。◆

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