第1095日目 〈エレミヤ書第7章&第8章1/2〈神殿での預言〉 [エレミヤ書]

 エレミヤ書第7章と第8章1/2です。

 エレ7:1-8:3〈神殿での預言〉
 主の目に悪と映ることをことごとく行った王、ヨアハズの御代であったろうか。預言者エレミヤは神殿の門の上に立ってそこを行く人々へ呼びかけた。主を礼拝するために神殿の門をくぐる者らよ、主の言葉を聞け。そうエレミヤは呼びかけて、かれらに主の言葉を伝えた。主はこういった、━━
 ユダの民よ、行いをあらためてわが道へ戻れ。悔い改めて再びわたしを信じ、思うならば、あなたたちは永久にこの地、かつてわたしがあなたたちの先祖に与えた〈約束の地〉カナンに住まうことができる。が、いまのあなたたちはむなしい言葉にばかり依り頼んでいる。むなしい言葉にあなたたちを救う力はない。あなたたちは戒めを破り、わたしの名を汚し、異教の神々に献げ物をささげている━━それなのになお、あなたたちはわたしの名が置かれる神殿に礼拝することを考え付くのか。わたしはかつて契約の箱が置かれていたシロの地と同じように、この都エルサレムとこの神殿に対して怒りを降し、あなたたちをわたしの前から投げ捨てる。なぜなら、わたしが先に繰り返し語ったのにあなたたちはそれに従わず、呼びかけたのに答えなかったからだ。
 ━━これが、エレミヤに降って民に伝えられた主なる神の言葉である。
 主はエレミヤに忠告した。ユダのために祈るな、と。どれだけ預言者が民の嘆きと祈りを伝えようとも、わたしはそれに耳を傾けない、とも。ユダの町々、そこに暮らす人々のことを知っているか、と主はいった。かれらはわたしを怒らせている、というよりも、自らの恥のゆえに自らを怒らせているのではないか?
 主の曰く、━━
 「わたしはお前たちの先祖をエジプトの地から導き出したとき、わたしは焼き尽くす献げ物やいけにえについて、語ったことも命じたこともない。むしろ、わたしは次のことを彼らに命じた。『わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしはあなたたちの神となり、あなたたちはわたしの民となる。わたしが命じる道にのみ歩むならば、あなたたちは幸いを得る。』
 しかし、彼らは聞き従わず、耳を傾けず、彼らのかたくなで悪い心のたくらみに従って歩み、わたしに背を向け、顔を向けなかった。お前たちの先祖がエジプトの地から出たその日から、今日に至るまで、わたしの僕である預言者らを、常に繰り返しお前たちに遣わした。それでも、わたしに聞き従わず、耳を傾けず、かえってうなじを固くし、先祖よりも悪い者となった。
 あなたが彼らにこれらすべてを語っても、彼らはあなたに聞き従わず、呼びかけても答えないであろう。それゆえあなたは彼らに言うがよい。『これは、その神、主の声に聞き従わず、懲らしめを受け入れず、その口から真実が失われ、断たれている民だ。』」(エレ7:22-28)
 かれらユダの民は(と、主がいった)、わたしの前に於いてことごとく悪を行った。かれらはわたしの名が置かれる神殿に不純なものを置いてこれを汚した。これらのゆえに、ユダの町々とエルサレムから喜びの声、祝いの声、花婿と花嫁の声を絶ち、この地を廃墟とする。この地に埋もれた民の骨は、かつての身分にかかわりなく吹き荒れる風に吹かれるがままとなり、大地の肥やしとなる。「わたしが他のさまざまな場所に追いやった、この悪を行う民族の残りの者すべてにとって、死は生よりも望ましいものとなる、と万軍の主は言われる。」(エレ8:3)

 「エレミヤ書」のなかでも有名な章です。
 ユダが自ら犯してきた罪、悪のゆえに主はかれらを顧みない。だからエレミヤよ、あなたはかれらのために祈ってはならない(エレ7:16)。これは本書のなかで何度も目に触れる主の言葉であります。第7章だけでなく、たとえば近いところでは昨日の第6章(第30節)、もうすぐ読むところでは第11章(第14節)でも出て来る言葉です。
 あなたはユダのために祈ってはならない。なぜか? 主が自らの意志を実現させる手段として、北からの敵━━新バビロニア帝国の登場を準備しており、エレミヤがユダのために祈って救済を求めれば、それを妨げる行為となるからです。……なら、なぜエレミヤは遣わされたのか。ユダを回心させてはならないからです。それゆえに祈るな、というのです。しかし、勿論そんな簡単なことで片附くはずもなく、もっと奥深く根深い理由がありそうです。それについては、わたくしももうちょっと考えてみたいと思います。
 「エレミヤ書」は主の再三にわたる悔い改めの言葉を無視した民がどんな運命に直面したか、を語った書物でありました。これに対して、国が滅びることを知って民が一斉に悔い改めた結果、救われてしまったことに預言者がむくれて主に抗議する、という愉快な場面を持つのが、同じ預言書の一つ、「ヨナ書」であります。まるで正反対な性格を持つこの二書を較べて読んでみるのも面白いと思います。◆

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