第1114日目 〈エレミヤ書第23章:〈ユダの回復〉&〈預言者に対する言葉〉withS.キング短編集『いかしたバンドのいる街で』を読了しました。〉 [エレミヤ書]

 エレミヤ書第23章です。

 エレ23:1-8〈ユダの回復〉
 主は、自分の民を牧する牧者について、こういった。曰く、━━
 わたしの羊の群れを散らして追い払い、顧みなかった、滅ぼすだけしか能のない牧者たちを、わたしは罰する。かれらに代わって、わたしの思いに添う牧者を新たに立てる。
 かつて散らされた諸国から、羊の群れが帰ってくる。かれらは子供を作り、育て、増やす。やがてかれらを牧する牧者をわたしは立てる。その牧者によって羊の群れは恐れることも怯えることも、迷い出ることもなく暮らす。
 「見よ、このような日が来る、と主は言われる。/わたしはダビデのために正しい牧者を起こす。/王は治め、栄え/この国に正義と恵みの業を行う。/彼の代にユダは救われ/イスラエルは安らかに住む。/彼の名は、『主はわれらの救い』と呼ばれる。」(エレ23:5-6)
 むかし人々はいった、「イスラエルの人々をエジプトの国から導き上った主は生きておられる」と。が、いまは違う。人々はこういって誓うようになる。即ち、「イスラエルの家の子孫を、北の国や、彼が追いやられた国々から導き上り、帰らせて自分の国に住まわせた主は生きておられる」(エレ23:7-8)と。

 エレ23:9-40〈預言者に対する言葉〉
 わたしの言葉を伝えるべき預言者たちは堕落した。サマリアの預言者たちは他の神々によって預言し、エルサレムの預言者たちは姦淫と偽りを旨とする。かれらは主の口の言葉を語るのではなく、自分たちの心のなかの幻を、<託宣>と称して語る。かれらは主の会議に立って主の言葉を聞いたこともない。もしかれらが主の会議に立って主の口の言葉を聞いていたら、国をも民をも正しい方向へ導くことができていただろう。
 主の言葉を偽って人々を惑わせた預言者たちよ、わたしはこういう。曰く、━━
 「わたしはお前たちを全く退け、お前たちの父祖たちに与えたこの都と共に、お前たちをわたしの前から捨て去る。そしてお前たちに、けっして忘れえない永久の恥と永久の辱めを与える。」(エレ23:39-40)

 〈ユダの回復〉で語られるのは、メシア預言であります。字面だけ追って読み流せば、捕囚からの解放とエルサレムへの帰還となりましょうが、もうちょっとだけ慎重に読むと、明瞭なるメシア預言であることに気附く。
 ここで思い出すのは、イザ7:14で触れたインマヌエルの誕生を預言するイザヤの言葉。これを踏まえたものが、マタ1:23にありました。インマヌエルは「神はわれらと共にいる」という意味ですが、引用したなかで触れられる「主はわれらの救い」まではほんの一歩の距離です。ちなみに、マタ1:21ではイエスの命名後、「この子は自分の民を罪から救う」と、主の天使がマリアに告げています。
 とは申しても、単純に捕囚解放後、エルサレム帰還団のリーダーシップを担った、と解釈するなら、捕囚としてバビロニアに連れ去られたヨヤキム王の孫ゼルベバブ(エズ2:2)となりましょうけれどね。
 〈預言者に対する言葉〉は〈ユダの回復〉が予想していたよりも長くなってしまった関係もあって、なるべく簡潔に、明快に、と心掛けました。本文も全31節と、「エレミヤ書」ではやや長めのものになりますが、主の怒りの言葉をなんとか要約して上記のようになったことをお知らせしておきます。
 それにしても、スタバのテラス席って快適ですね。



 キングの短編集『いかしたバンドのいる街で』は「自宅出産」と「雨期来たる」の2編を以て読了した。
 「雨期来たる」はたしか『マリ・クレール』誌に「レイニー・シーズン」として掲載され、その後に知ったところではキングが深刻なライターズ・ブロックから脱出するきっかけとなった短編であった。このゲテモノ怪作ぶりがキングの短編の真骨頂といえようが、どこからどう見てもキング印が刻印されていて、かつこの直前まで断筆まで考えられる程に深刻だったライターズ・ブロックの痕跡が残っていない点で、まさに奇跡的な一作と呼べる短編でもある。でも、こんな作品が復活のきっかけとなった、というのも、キングらしくていいですよね。
 「自宅出産」はかつて「ホーム・デリヴァリー」という、原題そのまんまのタイトルで読むことができた。訳文に手が加えられているように思うのだが、どうなのだろうか。いまちょっと『死霊の宴』上巻が手許にないので比較検討できないが、誰かつぶさに照らし合わせてみては如何か。
 今日から『メイプル・ストリートの家』を携えて出掛けているが、通勤の行き帰りや休日の喫茶店などでたっぷり楽しませてもらうつもりです。◆

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