第1131日目 〈『ビブリア古書堂の事件手帖』ドラマ化に寄せて。〉 [ウォーキング・トーク、シッティング・トーク]

 三上延著『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)が来年1月からテレヴィ・ドラマ化の由。ああ、やっぱりな、コミカライズだけでは留まれなかったんだ……。この小説が大好きで、既刊3巻を何度読み返したか我ながら不明なさんさんかです。今日(昨日ですか)、そんな悲嘆にダメ押しをする報道に触れて、腹に据えかねる思いを弄んでおります。
 主演の栞子さん役に剛力彩芽!!??? 人選ミスの極み! 同じ所属事務所の女優がこの明らかなミス・キャストに異を呈したそうな。そのTwitterでの発言に便乗する気はない。が、どう考えても栞子さんは剛力(強力、って変換、爆笑した!)が演じる役ではない。
 知性も品性も演技力も、その欠片すら窺わせぬみずぼらしい女優は昨今珍しくないが、彼女の場合はその点極めている。「栞子さんのイメージを全部くつがえします!」などと発言したそうだが、これぞ作品をすべて台無しにして、ドラマの失敗を予言する窮極の一言。彼女はこんな発言をすべきではなかった。本当に原作を読んでいるのか定かでないが、きちんと読んでいればこんな発言をぶつ必要はないだろう。同作の実写ドラマは早くも<失敗>に王手を掛けた。
 栞子さんのイメージをくつがえして、いったいなにになるのだろう。なにかメリットがあるのか? なにゆえ剛力は負のイメ・チェンを背負いこむような馬鹿げた真似をする気になったのだろう? 自分には新たなる栞子さん像を提示して納得させられるだけの演技力がある、それを視聴者のすべてに支持してもらえる、とでも? その自信はどこから?
 「くつがえしてやる!」なんてお門違いの決意の下に承諾する剛力彩芽に問題は多々あるが、事務所や制作サイドも同罪――むしろ、ドラマ失敗の戦犯というて良かろう。
 見識を疑う、とはまさにこのこと。最初から視聴率取れないので話題の女優頼みで作ることにしました、と喧伝して回るようなものである。果たして剛力彩芽は客寄せパンダの役を担わされている! 人気があるから、事務所が推しているから、というだけで、話題作のドラマ化にあたってヒロインに起用するのは止めろ、と本人のためにも、原作のためにも、声を大にして申し上げたい。
 もとより視聴する気はまったくないし、いまさら剛力降板なんてハッピーな未来は訪れないのだろうが、それでも敢えていわせていただく。主演女優のチョイスについてだ。
 やはりここは日頃から常に読書し、それが物腰や話し方、表情に出ている女性を持ってくるべきではなかったのか。そうした人たちは軒並み出演を辞退、拒否した? 否、そんなことはあるまい。個人的な希望を申せば、……堀北真希は『県庁おもてなし課』ではなく、こちらへ出演を許諾するべきだったのでは。話が行くのが遅かったのかな? それとも、連続ドラマはしばらくお休みしたい?
 しかしながら、これは或る意味で非常に特筆大書すべきキャスティングである。人気さえあればどんなに自分とは合わない役でも、大言壮語して主役を張れてしまう、という。後世へ是が非でも語り継ぐべき悪しきサンプル。
 『ビブリア古書堂の事件手帖』に於ける剛力彩芽などという空前のミス・キャストに較べれば、実写版『図書館戦争』の堂上役に岡田准一、『イケメン・パラダイス』での前田敦子っていうのは、可愛い方だろう(岡田准一、好きな俳優だけれど、さ?)。『花のズボラ飯』の倉科カナはハマリ役に思えますね。◆
ソース;http://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/jcast-155092/1.htm 他。

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。