第1263日目 〈『ねじまき鳥クロニクル』第1部読了&永遠不変の真実を君よ知れ、「愛する者はすべて根こそぎ浚いとられる」と。〉 [日々の思い・独り言]

 深夜に映画を観ながら日本酒を飲み、イカの塩辛を食べるのが専らの楽しみになっているさんさんかです。4月で春だというのに寒い日が続きます。皆様いかがお過ごしですか?
 ちかごろ週末はすっかり出不精になっていることに加えて、右往左往した「エゼキエル書」がようやっと終わって拍子抜けしています。朝からやったことといえば、庭と自宅周りの掃除と草むしりをしたが精々で、おまけに最後の方は雨に降られてね。あとは、――ブランチの支度ぐらいか。
 日記はこれぐらいにして。

 読書といえば、さんさんかは1月から鞄のなかと枕頭に侍らせていた村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』、しかも第1部「泥棒かささぎ編」を読み終えましたよ。中断期間が長かったな……。再読にあたる今回だけれど、骨太な物語には読書することの醍醐味を堪能させられました。このあたりの感慨は、以前読んだときとなんら変わることも色褪せることもなく、そういう意味ではすこし安心している。あの皮剝シーンにはやっぱり眉を顰めて身を捩らせましたけれどね。
 長編のなかでどれが好きか、と訊ねられれば、『ねじまき鳥クロニクル』を筆頭に挙げますね。正直に告白すれば、ずっと読み継いできて『ねじまき鳥クロニクル』へ至ったとき、もうこれで村上春樹はじゅうぶんだ、このあとにどんな小説が出て来てもたぶん手にすることはないだろうし、仮に読んだとしてもいまのように熱中することはあるまいな、と思うて、架蔵していた著作の殆どを段ボール箱へ封印して納戸に仕舞いこんだわけだが、約10年のブランクの後、再びこんな風に熱心に読むなんて、想像もしなかったな。例の『1Q84』騒動に踊らされた末なのはいうまでもない。
 ともあれ、明日から第2部「予言する鳥編」を読んでゆく。取り敢えず長編作品だけはこの機会に再読してしまおう、という魂胆を(そもそもの最初から)抱いているため、さて、新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読むのがいつになるか、さっぱり見当が付かないでいる。まぁ、たぶんいつかそのうちに、としか申し上げられまいが。
 序に申せば、読む小説が実は山積みなんだよな。先達て話題の端に上したが、S.キングの小説も相当数溜まっているし、国内作家の作品もちらほらと視界の隅っこに映っている。そのくせ、フィッツジェラルドやカフカ、バイコフやトールキンあたりを、性懲りもなく書架から出してきて何十回目かの読書に耽っちゃったりするんだけれどね。この腰の据わらぬ悪癖、否、悪習はまだ治せるのかな?

 愛する者はすべて根こそぎ浚いとられる。人生に於いて不変の真実というものが、個々人にあるとすれば、わたくしにとってはいま申し上げたようなことになる。
 あの晩、ただ一つの希望が叶えられそうでうれしかったけれど、やはりそうは甘くなかったらしく、却って誤解と蔑みと怯えを抱かせるばかりとなった。
 きみよ、覚えておくと良い。世界から弾かれる者と受け容れられる者がいる。きみがかつて知った男は前者であり続けることを余儀なくされている、と。
 だが、わたくしはもう迷わない。過去よ、永遠にかの人の腕のなかで眠れ。未来よ、永遠に暗闇のなかに横たわってゆめ目覚めるな。夾雑物めいた偽りの想いよ、もう二度とわたくしの前へ立ち現れるな。わが求めるは一人のみ。◆

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