第1272日目 〈ダニエル書第2章:〈巨大な像の夢〉with素朴かつ答えの出ない疑問を弄ぶ。〉 [ダニエル書]

 ダニエル書第2章です。

 ダニ2:1-49〈巨大な像の夢〉
 バビロニア王ネブカドネツァルは夜毎同じ夢を見て、却って不安になった。即位して2年目、前604年のことであり、アッシリアが完全に命脈を絶たれてバビロニアがオリエントの覇者となった時期である。王は勅命を出して、国中の占い師や賢者たちを集めた。
 かれらを前にして王はいった。わたしの見る夢の解釈をせよ。しかし賢者たちは一人として、王の求めに応じられなかった。というのも王は、自分の見た夢についてなにもかれらへ知らせなかったからである。
 夢解きができるならば、見た夢がどんなものであったか教えずともわかるはずだ。王の言葉に賢者たち皆は押し黙った。ネブカドネツァル王は、国中の賢者たちを処刑せよ、と勅命を出した。むろん、ダニエルたちも例外ではなかった。
 侍従長アヨルクにダニエルは勅命の理由を訊いた。アヨルクは答えて、事情を説明した。思慮深きダニエルはしばしの猶予をもらうと、3人の友どちに事の次第を打ち明けて、自分は天の神、即ちイスラエルの神なる主へ憐れみを願った。すると、その晩、幻によって秘密が明かされた。
 ダニエルは神に感謝した。然る後、侍従長アヨルクの許へ赴き、王の御前に召してくれるよう頼んだ。アヨルクはそうした。夢の解釈を求めるばかりの王に向かってダニエルはいった、──
 バビロニア王ネブカドネツァルよ、あなたがご覧になった夢には、圧倒的な輝きを放つ巨大な像が出ていました。それは王のおん前に立っておられる。その像は頭が純金、胸と腕が銀、腹と腿は青銅、脛(すね)と足の一部が鉄、足の他の部分が陶土で出来ています。人力によらず切り出された一塊の石が、その像の足を砕きました。体の残りは大地に倒れ、欠片となり、風に散りました。石はやがて大きな山となり、それは全地へ広がってゆきました。
 では、この夢の意味についてお話しします。これは列強諸国が興っては滅び、その後に神による永遠統治が始まる、ということでございます。純金は陛下の国即ちこのバビロニア、銀はこの国より劣り、青銅は全地を支配し、鉄はすべてを破壊しますが、陶土が混ざっているからやがては分裂します。鉄と陶土の国は婚姻によって交じり合いますが、一つになることはありません。
 王よ、この夢はたしかに実現します。いまわたくしが申し上げました通りに。
──と、ダニエルはいった。
 これにネブカドネツァルはたじろぎ、頽(くずお)れ、嗟嘆し、ダニエルの神を尊んだ。
 この功績によってダニエルはバビロン全州を治めることになり、賢者たちの上に立つ長官となった。また、かれの計らいによって、かれの3人の友どちもバビロン州の行政官になった。

 ネブカドネツァル王の夢に登場した像の各部について補えば、──
 純金;新バニロニア帝国、
 銀;ペルシア帝国、
 青銅;メディア王国、
 鉄;ギリシア王国、
 陶土;(ギリシア王国分裂後の)プトレマイオス朝とセレコウス朝、
を、それぞれ示す由。そうして山から切り出されて像を砕いた一塊の石は、即ち神の御力である、と。
 余談ですが、本書に於いては可能な限り、聖書からの引用はなくして、なるべく本文のみですべてを語ることを目標にしています。それが完全に可能となったとき、本ブログ原稿はこれまでよりずっと良いものになるような気がしています。



 両親の結婚記念日であるのを昼頃まで忘れていたさんさんかです。昨日に続いて夕食を作ったのは、なんというか、せめてもの感謝と罪滅ぼしですかね。
 ここ数日、おぐゆーさんとショスタコーヴィチ絡みの古い記事が、軒並みアクセス数を上げている。なぜなのだろう。村上春樹はわかるのだが……。誰が読んでいるのだろう? ご本人方? まさかぁ。
 そんな素朴かつ答えの出ない疑問を弄びもした、<昭和の日>てふ休日でありました。◆

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