第1281日目 〈ダニエル書第9章:〈定めの七十週〉with映画『画家と庭師とカンパーニュ』を観ました。〉 [ダニエル書]

 ダニエル書第9章です。

 ダニ9:1-27〈定めの七十週〉
 メディア・ペルシアのダレイオス1世の御代の初年のこと。
 わたくしダニエルは或る日、エルサレムの荒廃の時が終わるまで70年の歳月が要される、と文書で読んで知った。そこでわたくしは神なる主を讃仰して、ユダヤが犯し続けた罪と過ちを告白して、祈り、嘆願して訴えた。
 「主よ、常と変わらぬ恵みの御業をもってあなたの都、聖なる山エルサレムからあなたの怒りと憤りを翻してください。わたしたちの罪と父祖の悪行のために、エルサレムもあなたの民も、近隣の民から嘲られています。」(ダニ9:16)
 われらの主よ、聞いてください。赦してください。あなた自身のゆえに救いを遅らせないでください。

 わたくしダニエルは神なる主への、ユダヤが犯した罪と過ちを告白し、嘆願し、祈るのを続けた。すると、以前の幻に見た天使ガブリエルが飛んできて、いった。
 お前を目覚めさせるためにわたしは来た、主の言葉が出されたのでそれを告げにわたしは来たのだ、この言葉のことを悟り、この幻を理解せよ。
 「お前の民と聖なる都に対して/七十週が定められている。/それが過ぎると逆らいは終わり/罪は封じられ、不義は償われる。/とこしえの正義が到来し/幻と預言は封じられ/最も聖なる者に油が注がれる。
 これを知り、目覚めよ。/エルサレム復興と再建についての/御言葉が出されてから/油注がれた君の到来まで/七週あり、また、六十二週あって/危機のうちに広場と堀は再建される。
 その六十二週のあと油注がれた者は/不当に断たれ/都と聖所は/次に来る指導者の民によって荒らされる。/その終わりには洪水があり/終わりまで戦いが続き/荒廃は避けられない。彼は一週の間、多くの者と同盟を固め/半週でいけにえと献げ物を廃止する。
 憎むべきものの翼の上に荒廃をもたらすものが座す。そしてついに、定められた破滅が荒廃の上に注がれる。」(ダニ9:24-27)――天使ガブリエル斯く伝へり。

 おそらくエレミヤが預言し(エレ25:11,29:10)、また代下で触れられた「70年の時が満ちれば」云々の時期が、そろそろ終わりに近附きつつあった頃の挿話でしょうか。
 天使ガブリエルのいう「70週」とは490年を指します。<1日=1年;1週間=7年>を踏まえれば、<70週×7年=490年>という計算がすぐに出るわけであります。
 では、490年とはなにか? これはむろん正確な数字であろうはずがありませんので、だいたい4世紀後になにが起こったか、を述べるに留めますが、エレミヤが預言した前605年から441年後、ガブリエルの言葉に登場するアンティオコス4世エピファネスによるエルサレム侵略がありました。前164年の出来事です。
 ガブリエルの言葉のなかにある70週の内、69週目に起こる出来事とは即ちこれであります――「都と聖所は/次に来る指導者の民によって荒らされる。/その終わりには洪水があり/終わりまで戦いが続き/荒廃は避けられない。彼は一週の間、多くの者と同盟を固め/半週でいけにえと献げ物を廃止する。」(ダニ9:26)
 ……というのが、大半の見方であり、「ダニエル書」の内容・性質からしてもこれがいちばん妥当であろう、と思うのでありますけれど、やはりここにメシア預言を読み取ることは容易で、実はわたくしなども最初はこれに搦め捕られてしまったのですが、たとえばハーレイは『新聖書ハンドブック』の当該章に於いてそうした記述をしております。岩波14の脚注やラッセルなどは史実に基づいた冷静な判断を下しております。

 手こずりながらもなんとかノートを終わらせたいま、むなしき敗北感に打ちのめされています。ガブリエルの言葉も含めて、一旦出来上がったノートを殆どすべて消し、夕食の準備を挟んで悶々と悩み、結果、天使の言葉に比重を置いたノートを作ることになった。
 でもね、と弁解させていただく。でもね、ガブリエルの言葉はどう弄くってもわたくしの言葉よりも引用の方が雄弁で、前半のダニエルの祈りも締まりがないため、最初はだらだらまとめていたが散漫になるだけと判断して半分ぐらいの量に縮めた。そうしてようやっと、こうしてなんとか読めるようなものになった。
 つまり、なにがいいたいか、というと、わたくしなりに頑張りました、ということです。昨日の第8章程ではないけれどさ。



 映画『画家と庭師とカンパーニュ』を観ました。カンパーニュは仏語で「田舎」。
 ああ、人生の素朴なることがいちばんのしあわせ事かなぁ。生きることの喜びと哀しみが詰まった、ぬくもりに満ちた小さな傑作。偶然の導きによって本作と出会えた幸運に感謝します。
 画家アンリ・クエコによる原作は未訳である由、何方か翻訳してください。
 監督;ジャン・ベッケル、脚本;ジャン・ベッケル、ジャン・コスモ、ジャック・モネ、撮影;ジャン=マリー・ドルージュ、出演;ダニエル・オートゥイユ、ジャン=ピエール・ダルッサン他。2007年フランス映画。◆

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