第1362日目 〈夏の早朝と夏の夕暮れに思うのは、〉 [日々の思い・独り言]

 雑草が生えてくるのを抑えるシートがあるじゃないですか。正式名称をなんていうんだろう。まあ、いいか。ともかく、それをね、夕暮れ近い頃に庭へ敷いたんですよ。勿論全体じゃないですよ。庭の片隅に、です。先達て早朝から起き出して草刈りをした、と書きましたが、そこに例のシートを3分割して敷いたわけです。
 土の庭だから当然でこぼこはある。シートを敷くとき、でこぼこをそのままにしておいたら、その上を歩いた際に足元が危ない。なにか重いものを持っていたら、怪我したりしてしまうかもしれない。
 そんな危惧を抱いてシートを敷くとき、プランターや鉢、レンガ、ブロックを退かしたあと残ったでこぼこを、軍手もしていない掌で均したのですね。そのとき、手に覚えた感覚といったら! 湿っていて、ざらざらして、ごろごろして、滑らかで、指の上を越えてゆくとき仄かにあたたかくて、爪と皮膚の間に入りこんでくる。
 その感覚は子供の頃の思い出を甦らせる。往時そばにいて失われるときが来るなんて考えもしなかった家族の姿が記憶の片隅で鮮やかに息づき始める。懐かしくて包みこまれるような土との触れあいを、いったいわたくしは何歳の時分に忘れて庭を顧みなくなり、最近まで母一人に任せてしまったのだろう。悶着があると庭の必要を訴えたり、庭木を伐るとなったら屁理屈をこねて正当化したりしてね。庭の手入れをあれ程好んで行った父をそばで見ていたにもかかわらず、どうしてわたくしは忙しい振りをして今日まで本気で庭を維持してゆくことを考えなかったのだろう。庭の手入れは想い人の<愛>を得ること以外すべての喜びを与えてくれるというのに。
 夏の早朝と夏の夕暮れに思うのは、生まれたときからいちばん身近にあった自然、つまり庭をこれからはわたくしが守り、管理し、維持してゆこう、ということです。それまでは最良の教師たる母にいろいろ教わってゆくつもりです。◆



 今日から「ハバクク書」を読む予定でしたが、申し訳ありません、あと1日先に延ばすことにさせていただきます。理由はたったひとつ。いまわたくしはどうしても、この庭についての文章を単独で掲載したかった。どうしても、今日お披露目したかった。それだけです。
 借りてきた映画のDVDを観ていて、「ハバクク書」の原稿が一行も書けていないわけではありません。いや、これ、本当ですよ。土曜日の夕方、○○道のタリーズ・コーヒーのテラス席でそよ風に吹かれながら一所懸命書いていましたもん。
 明日から本当に、誓って「ハバクク書」に入ります。◆

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