第1404日目 〈創世記第3章:〈蛇の誘惑〉with癒しの歌;和久井映見『心に花が咲くように』を聴きました。〉 [創世記]

 創世記第3章です。

 創3:1-24〈蛇の誘惑〉
 第六の日、主なる神は野の生き物を造った。そのなかで、いちばん賢いのは蛇であった。その蛇が、人即ちアダムのあばら骨から造られた女に訊ねた。神は、園のどの木からも食べてはいけない、といったのか。女が答えた。いいえ、園のどの木からも食べてよいといわれています。しかし神様は、園の中心にある木の果実だけは食べてはならない、触れてもいけない、といいました。死んでしまうから。
 蛇は否定した。死ぬことはけっしてない。神はな、お前たちが自分たちのような善悪を知る者となるのを危惧するから、食べるな、といったのだ。
 それを聞いたあと、女は件の木を眺めた。そこに実る果実はとても美味そうに女の目に映った。それは賢くなるよう唆しているみたいだった。誘惑が彼女を襲った。遂に女は善悪の知識の木から実をもいで食べ、それをアダムにも手渡して食べさせた。――2人の目は途端、開かれた。自分たちが裸であるのを知ったかれらはいちじくの葉を綴り合わせて、腰を覆うものとした。
 その日の風の吹く頃である。アダムと女は主なる神が園を歩く音を耳にした。かれらは神の顔を避けて木の間に隠れた。神は立ち止まり、アダムを呼んだ。どこにいるのか。
 ――どこにいるのか、と神が問うて、アダムはおずおずと木の間より姿を現した、わたしはここです、ここにいます。隠れていました、裸なので。
 神が訊ねた。誰がお前が裸であると教えたのか、食べるな、と命じておいた木の実を食べたのか。アダムは、女から渡されたのでその実を食べました、と白状し、女は蛇が私を唆したのです、と告白した。
 それを聞いて神は憤った。蛇を呼び出して詰り、あらゆる野の獣のうちで最も呪われる存在(もの)とした。お前は生涯地を這いまわり、塵を喰らうようになる。
 神はそのあとで、女に孕みと産みの苦しみを与え、男を求め、男に隷属する存在とした。男は、生涯食べ物を得ようと苦しむ存在とされた。「お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで。/お前がそこから取られた土に。/塵にすぎないお前は塵に返る。」(創3:19)
 ――エバ。アダムによって女はそう名附けられた。その意味は「命」。エバは命あるすべてのものの母となったからである。主なる神はアダムとエバに皮の衣を作って着せた。
 「主なる神は言われた。/『人は我々の一人のように、善悪を知る者となった。今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある。』/主なる神は、彼をエデンの園から追い出し、彼に、自分がそこから取られた土を耕させることにされた。こうしてアダムを追放し、命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。」(創3:22-24)

 蛇はサタンとされます。サタンが蛇に己を擬して女/エバに近附き、誘惑したのだ、といいます。これが人間を神の愛すべき創造物の座から転落する要因となりました。原罪とはこれであります。
 なによりも神が恐れたのは、自分の創造物である人間が自分に匹敵する、もしくは自分を凌駕する存在となることでありました。それゆえに園の中心にあった木の実を食べることを禁じた。約束が破られたり、破られそうになると、神は人間を園から追放した。創造主ならではの危惧といえましょう、創造主ならではの手段と申せましょう。こうして人は楽園を追放され、永い永い歴程の一歩を刻んだのでありました。
 追放されたと明記されるのはアダムだけですが、エバも一緒にエデンの園をあとにしていますよね、きっと。それとも他の翻訳だとそのあたりは補われているのかな。アダムとエバは互いを知り、カインとアベルの兄弟を設けます。が、それは明日のお話です。



 iPodへ最初に入れたCDの一つが和久井映見の『心に花が咲くように』だった。彼女の歌は聴いたことのない人がほとんどかもしれないけれど、じつは歌手歴十年を誇る、れっきとしたJ-POPの一人なのである。
 この11枚目のアルバムに収められた歌を聴いていると、ささいなことで塞ぎこんだり、悩んでいても、いいんだよ、それが生きているってことなんだから、と慰められ、明日からも頑張ろうね、と励まされる。こんな自分は少しばかり単純で、ネガティブな性質の持ち主なのだろう。それだからこそ、和久井映見の歌は生活必需品に等しいのかもしれない。
 朝の目覚めの刻、彼女の歌声で目を覚ますのは、最も甘美な時間の一つだ。いたずらに神経をたかぶらされることのない穏やかで、ぬくもりを感じさせられる歌声には、なにものにも代え難い<ヒーリング>の力が、確かにある。
 一日の始まりにも終わりにも、原稿書きの手が空いた隙間時間にも、気附けばこの人のアルバムへ手を伸ばし、耳を傾けるのは、そんな理由からなのかもしれない。◆

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