第1415日目 〈創世記第13章:〈ロトとの別れ〉with生活を営むに必要なもの〉 [創世記]

 創世記第13章です。

 創13:1-18〈ロトとの別れ〉
 エジプトをあとにしたアブラム一行はネゲブ地方の、以前主のための祭壇を築いたベテルとアイの間の場所へ戻った。その頃になるとアブラムもロトも多くの財産、多くの羊、多くの家畜を持っていた。またロト自身、たくさんの天幕を持つ者になっていたのである。
 が、如何せん、アブラムとロトのすべての持ち物を収めるにかの地は狭すぎた。そのせいもあって、アブラムの家畜飼いたちとロトの家畜飼いの間に大小の諍いが起こるようになっていた。その頃にはカナン人もペリジ人もネゲブ地方に住んでいた。
 或る日、アブラムはロトのところへ来て、いった。われらは血のつながった者同士だ。これ以上の諍いを避けるためにも別々の土地に住もうではないか。あなたの前には幾らでも土地が広がっておる。続けてアブラムはいった。あなたが右へ行くならわたしは左に、あなたが左へ行くならわたしは右へ行こう。
 そこでロトは目を上げてあたりを眺めた。まだソドムとゴモラが主の怒りによって滅ぼされる前であったためヨルダン川流域の低地一帯は、エデンの園のように、エジプトの地のように、見渡す限りよく潤っていた。ロトはその地域を選び、東へ移った。斯くしてアブラムはそのままカナン地方へ留まり、ロトは塩の海南部に広がる低地の町ソドムへ移ったのである。カナン地方にはアブラム一家とかれらに雇用される者らの他、カナン人たちもいた。ロトの行くソドムで民は既に邪悪であり、主に多くの罪を犯していた。
 ロト去りし後、、主がアブラムにいった。曰く、――
 「さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見える限りの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫を大地の砂粒のようにする。大地の砂粒が数えきれないように、あなたの子孫も数えきれないであろう。さあ、この土地を縦横に歩き廻るがよい。わたしはそれをあなたに与えるから。」(創13:14-17)
 アブラムは天幕をヘブロンへ移し、そこに主のための祭壇を築いた。

 ヘブロンにあるマムレの樫の木、というのがよくわかりません。後にはこのマムレという人物が登場することから、この地に住み着いた有力者の裔であったろうことは想像に難くないけれど、どうしてわざわざ「樫の木」などと註記する必要があるんだろう。「ヘブロンにあるマムレの樫の木」(創13:18)と「シケムの聖所、モレの樫の木」(創12:6)と書かれても、気附かず素通りするのが最善だったのかな。が、どうにも気になるのですよね。
 カナンの地はアブラムに与えられた。主なる神にはほぼ目論見通りであったろう。無意味にエジプトへ下ったときは、子孫にカナンの地を与える、というていただけに、戻り来たってそこへ留まることになったときは、変な話だが、ほっと胸を撫で下ろした。とはいえ、それも旧約聖書を初めの一ページから読み始めた2008年のことであります。現在は却って意識に留まることもなくするすると頭のなかに入ってきてしまう。そうしていつの間にやら消化され、忘却の彼方へ――。いけませんな。
 しかし、カナンの地には不穏な空気がまだ漂っている。むしろ、長い紛争の歴史の始まりなのだ。なにしろまだそこには、後のイスラエル民族と対立することが専らなカナン人が住むようになっていたからだ。嗚呼!



 なにも持たない生活。それを営むことは現代に於いて不可能であろう。が、生活必需品だけを持った生活は営めると思う。最小限の書籍と筆記用具、iPodと幾枚かのCD、パソコンとその周辺機器、携帯電話と充電器、最小限の着衣と季節用品、あとは通帳類と判子と身分証明書。それだけあれば、なんとか暮らしてゆけると思う。それだけを携えて世界の片隅で、ひっそりと、誰にも知られることなく過ごせればいいと思う。◆

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